空港に降り立つとその国の香りがする。
いつもながらそんなことを思いながら手続きを終わらせて無事入国へ。
外に出ると少し蒸し暑い空気が心地いい。
Asamiっ!
その声に振り向くとおじさん達が手を振ってくれている。諒さんを見ると言っておいでと微笑んでくれたので走ってそばに寄ってハグを交わす。
久しぶり!
うん。
元気そう。
うん。
みんな変わりなく?
うん。
ちゃんと顔を見せて。
そう言われて視線を交わすと本当に嬉しそうに抱きしめてくれる。
後ろにいた息子のジュリアンがあれが彼氏?と。(笑)そうだよ。というとにっこり笑って諒さんに会釈してくれた。
ゆっくりと歩いてきた諒さんを交え、紹介すると笑顔で迎えてくれた。
ホテルはいつものところ?
ううん。今回はオンザビーチ。
あら。そうなの?そうだ。お腹減ってる?
機内食いただいたからそれほどでも。
じゃ行きたいところある?
うん。グランマのお墓。その前にお花買いたいの。
麻美。。
涙ぐむおばさんを抱きしめて車へ向かう。
ボックスカーできてくれていたので私はおばさんの隣に。
諒さんはジュリアンと話してる。チラリと見るとにっこり微笑む。
お花屋さんでお花を調達するとお花を手向けて手を合わせる。
海外では手を合わせるってしないのか少し驚いた顔でこちらを見ている。グランマに話しかける私に諒さんはそっと肩を抱いてくれた。
クッキーを焼くのがとても得意だった。
そか。。ちょうど駆けつけられなかったんだな。
うん。コロナでなかったことがせめてもの救いかなと。
しばらく墓石に触れながらグランマに話しかける私をみんな黙って待ってくれた。
手向けたお花は持ち帰らなくてはいけないので包んでグランマに手を振った。また来るねというとおばさんはやっぱり泣いていた。
そのままスーパーで買い物をしてホテルにチェックインするとおじさんが明日迎えに来るから今日はゆっくり休んで。と言って帰っていった。
部屋はオンザビーチの高層階。フリーのラウンジもあるので後で飲みに行こうと言いながらまずは部屋の中のチェック。(笑)
バルコニーにはラタンの椅子とテーブル。見えるのは海と地平線。
諒さんがスーパーで買ったハイネケンを持ってきてくれた。
バカンスに。
うん。
一気に飲み干すと喉が生き返る(笑)
生ぬるい風は決してさ熱くは感じない。
ディナーはどうする?
行きたいお店ある。
だよな。
何系がいい?
なんでもいいよ。
じゃイタリアンで。。。
ずっとここに来ると必ず出かけるレストランは繁華街にあるのにローカルばかり。(笑)
お店に入ると変わらない雰囲気が出迎えてくれた。
オーダーをとりにきてくれた女性にアラカルトを頼むとサービスのガーリックトーストがやってくる。
きたっ!
いい香りだね。
うん。美味しいよ!
サラダやメインが次々とやってくると隣のテーブルにいたローカルが写真を撮ってもいいかと言われてあっさりと断る(笑)
不思議そうな顔をするローカルに
You can't pay my copyright.
諒さんはクスクスと笑う。
察しのいいローカルだったみたいで笑いながら席に戻っていた。
日本人ってまだ珍しいんだね。
まぁ韓国とは違うのがわかる人だったのかな?
うん。。
疲れたか?
ううん。なんか信じられなくて。。(笑)
それは俺も。(笑)
部屋に戻る前に大好きなアイスを買って部屋に戻る前にラウンジでビールを手にして戻ると窓から見える夜景に息を呑んだ。
すごい。。。
ん。だからこの部屋にした。
何回きたかわからないぐらいきてるのにこれは初めて。
そか。(笑)
ゆっくりとキスをしてくれた諒さんとお風呂に入ってアイスを食べて心地よく眠った。
朝目が覚めると諒さんはいなくてベッドルームから移動するとすでに仕事してた💦
おはよ。
ごめん起こしたか?
ううん。体内時計(笑)
まだ寝てろ。
諒さんは?
俺はこれ。
そういってパソコンを指差す。私はコーヒーを淹れてテーブルに置くとありがとうといって口にしてくれた。エスプレッソマシーンのコーヒーはあまり好きではないはずだけどインスタントよりはマシ?そんなことを思いながらそっとバルコニーに出ると心地いい風が吹いてる。
思いっきり背伸びをした。こんなに伸びたのはいつぶり?
足が攣った
帰ったらトレーニング再開だ。(笑)