諒さんはいつも私に合わせてくれる。

それは優しいだけではないような気がして尋ねてみた。

すると彼曰く弱いものを守るのは当たり前のことだと。

この場合の弱いは非力ではないことは私にもわかるけれど人生の中で数少ない男性との接点しかない私ではそれ以上はわからず💦


俺は独占欲の塊だからね。


そういうと少し寂しそうに笑った。

今まで諒さんの過去をあまり聞くこともなかったけれど少し気になってあれこれと尋ねると驚くほど話をしてくれる。


若い頃は本当に無茶もした。


そう言いながら苦笑いする諒さんの口から溢れた過去は無茶というよりも戸惑いが多かったのかな?と。。そう口にするとそうだな。と言って頭を撫でながら麻美は優しいな。と言ってそっと抱きしめてくれた。

笑い話ばかりの人生なんて存在しない。

そして弱みを見せる相手も誰でもではない。

年を重ねればその塩梅が相性につながることもわかる。だから知りたかった。


私をここに招き入れたのはなぜ?


還暦前に最後の女を見つけたかった。それが見つかったから。

私ね。すごく幸せだなって最近よく思う。

そか。それは嬉しいな。


調教という類の時間は苦しくて刹那くて心地いいけど儚くて。。

でもそれだけではあまりにも虚しすぎる。耄碌と過ごした時間が虚しかったのはそういうことなんだなと。。


体だけの関係ってこの年であり?

サルならあるだろうね。不倫でもそうでなくても情がない関係はサルなんだよ。耄碌のことか?

うん。抜け出せてよかった。

抜け出したのは麻美自身違和感あったからだろ。

うん。

御主に言われた。やっと自分の時間を持てるようになった子だから蝶よりも花よりも丁重に扱えと。(笑)

そんなに大事にしなくても大丈夫。

大丈夫かどうかではないだろ。

ん。。にしてはきつい時もある。(笑)


そう言って肩の絆創膏に触れると目を細めてそっと肩を剥ぎ出すと絆創膏を外すと優しくキスを落とす。


痛むか?

ううん。でも噛まないでね。

噛まないよ。


そう言ってきつく吸う肩には新しい痣ができた。

永遠に消えない痕が欲しい。

欲張りで臆病な私に芽生えた感情は諒さんにしがみついた腕の力と一緒に伝えた。


もっとたくさんつけて。。取れない証。


嬉しそうなため息を軽くついた諒さんは私の服をするりと剥がすと腰のベルトを外して背中を打った。

腰を突き出し少し仰け反った背中に更に打つベルトが頭の芯を壊していく。その感覚が心地よくて腰が揺れていたようで指摘される。


欲しいものは原則変わってない。この癖を自覚した時から。。

でも形となって与えられるものはやっぱり変わっていく。

落ちかけた私に諒さんが囁いた。


取れない痕は時期がくれば与えてあげるよ。今は消える痕を楽しめ。


答えなくても私の答えは一つだけ。

突き出したお尻に打たれたベルトの音が今も頭に残る。


ありがとう。私を選んでくれて。。