少しだけ残業したけど約束の時間には充分間に合ったのでゆっくりと待ち合わせのカフェへ行くと既に諒さんは来ていた。
いつもの?
いや今日はちょっと違う。だから大丈夫。
疲れてるだろ。なにがいいんだ?
ん。じゃ、フラペチーノオペラホワイト。
あれは女子に人気らしいな。
そう言ってスタスタと歩く諒さんの後ろ姿を見ながら本当にかっこいいなと改めて思う。ピンと伸びた背筋と歩くテンポとスーツの質の良さ。
コートを脱いで座っていると戻ってきた。
ありがとう。
おつかれ。
お疲れさまです。
三週連続で週末家空けて遊ぶのも珍しいだろ。
笑いながら話す諒さんにうなづいてそっと口にした。美味しい。。
のんびりと外を見ながら色んな話をする。
ゆっくりと諒さんと過ごせる時間はあまりなかったから嬉しくてつい忘れていたのは会社の携帯の電源を落とすこと。。。
鳴りだした電話を無視するわけにもいかずしかもイケメンから。電話に出ると。。。
麻美さん。お財布忘れてますけど大丈夫ですか?
えっ!
慌ててバッグの中を見ると財布はある。
ん?あるけど?
でも机の上にピンクのお財布ありますよ。
それ私のだ。悪いけどロッカーに入れててくれる?
了解です!お土産期待してます。楽しんできてください!
ありがとう。
諒さんが笑いながら今度は何やった?と。。。
この前もらったお財布を使いだしてそれまでのお財布を会社用に使いだした私はうっかりそれをロッカーに入れるのを忘れてしまっていた💦
うちの会社はテレワークとフリーアドレス仕様だからロッカーはフロアにありポストのように投函できるタイプ。それを説明すると机の上ぐらいちゃんと確認して退社しなさい。と言われた。💦
大した金額ではないけどコーポレートカードが入っているからイケメンには感謝しかない💦
新しい仕事はどうだ?
ん。。多分決まると思う。
根拠は?
なんとなく(笑)
なんだそりゃ。(笑)
いくつかの会社からのオファーの中で選んだのは中規模の会社。
今回の転職の第一条件は働き方とポジション。
今までは年収が1番だったけどそれも子育てが一区切りついているので今後の自分に備えてを1番にしてみた。
諒さんもそこは同意してくれていたし選んだ会社はデータバンクを見ても悪い業績でもなく他のサイトの評価も許容範囲だった。
そしてなにより面接の時の感触が気に入った。
いつ頃わかるんだ?
来週かな。
決まったらお祝いだな。
それはなくて大丈夫。決めて当たり前だから。
当たり前って。(笑)
働かざるもの遊ぶべからず。
そうだな。(笑)
ゆっくりと移動して真っ暗な夜のフライトを楽しむのもこれでしばらくはないかなぁと。。
ホテルに着くと広い部屋に驚く私に意地悪な質問が。。
ベッドどれにするんだ?
諒さんと同じの。
一緒に寝るのか?
嫌なら別でもいいけど?
任せるぞ。
じゃ別のベッドで他の男連れ込。。。
唇を塞がれて強く抱きしめながら口が達者な女は嫌いだ。と囁く。
答えの代わりに諒さんの腰に手を回して指先に力を込めると「こら。」と言って硬くなった腰を私に擦り付けてきた。
でかけられないだろ?
大丈夫。間に合うように準備するから。。
私は跪くと取り出して口に含むと根元まで咥え込んでゆっくりと動く。
ぶるっと体が震えた諒さんは私の頭を抱え込んで腰を打ちつける。
ジュルジュルと口から漏れる音が心地いい。
少し膨らみ硬くなった諒さんをタイミングよく奥まで咥え込んで吸い上げるように口の中を諒さんの形にする。
私の頭をグッと鷲掴みされると私はちょっとだけ満たされる。そして構内に放たれた白濁した液体を飲み込む。
ゆっくりと口から取り出した諒さんは
出せ。
大丈夫。のんだから。。
飲めないだろ。
飲んだからお水欲しい。
ちょっと待て。
慌てて動く諒さんが冷蔵庫からお水を持ってきてくれた。カチャリとペットボトルを開ける音がするとそのまま私の肩を抱いてソファに座ってペットボトルを渡してくれた。
口に含んで喉の奥に流し込むと
スーツ汚れなかった?
そんなことどうでもいいのに。大丈夫か?
うん。毎回は無理だけど今回は大丈夫。
ありがとう。よかった。
んふふ。
なんだよ。満足そうだな。
頭気持ちよかった。。
そこか?
クスクスと笑いながら腕時計を見ると
せっかくだが時間だ。準備しないと。
うん。
私は着替えてメイクを整え諒さんの前に行くと
もうワンサイズ落ちたら着せたい服がある。
それは楽しみ。
何キロ落ちた?俺と付き合うようになって。
停滞期ないからだけど二桁は落ちてるよ。
そろそろかな?
うん。うまく乗り切る。
ここの肉落とさないとな。
そう言って私のお腹を摘む
わかってるよ。年内にはある程度の結果出す。
楽しみだ。
出かける時にふと思い出した。
耄碌と付き合っていたらこんな思いをせずに可愛くない女のままだった。
女が可愛くなるのは男次第。
年齢を偽ってしわくちゃの自分を棚上げして人のことをデブ、臭い、と罵るあの男は今でもきっと同じことをくりかえてしあるんだろうなと。。
考え事してる私に気づいた諒さんがどうした?と聞きてきたので幸せ。と返すとそうか。と嬉しそうに言ってくれた。
もっと綺麗になりたい。もっと好きなように使って欲しい。
傅く気持ちが溢れると私はとても満たされる。
微笑む私の顎に手を当てた諒さんがキスをしてくれた。
離れた唇の私の第一声は
お腹減った。お肉にする。