改札口に向かって歩いてくる諒さんを見つけるのは容易くて思わず小さく手を振る。

優しく微笑んで歩いてくると頭をポンポンとしながらただいま。と。。。

並んで歩きながら移動した先にはいつもの車が。。


お疲れさまです。

ありがとう。

麻美さん、お久しぶりです。

こんばんは。


そういうと静かに車は動き出した。

見慣れた街並みを抜けながら軽く深呼吸した諒さんはネクタイを少しだけ緩める。

思わず見惚れるとなんだ?といわれて答えられなくなる。


ご自宅で良いですか?

お願いします。


おもわず、えっ?とらなった私の顔を見てクスクスと笑いながら荷物置きたいからね。と。。

久しぶりに入る諒さんの部屋は数日あるじがいなかったせいか少し空気がこもっていて寒い夜なのに諒さんも、同じことを思っていたのか窓を開けた。少しして窓を閉じると加湿器と空気清浄機と暖房が入った部屋は程なく暖かくなると私服に着替えた諒さんがベッドルームから出てきた。


コーヒー淹れてくれるか?

うん。


私はペタペタとキッチンに行くとお湯を沸かしてコーヒー豆をミルに入れてカリカリと回す。

コーヒー豆の香りが心地いい。。お湯が沸いたのでそのまま少し冷ましながらカップを温めたお湯を捨てる。すると諒さんが後ろからそっとハグをする。


ん?

やっぱり家が落ち着く。

だよね。ホテルもいいんだけどね。

そう。そしていい匂いだ。

ん。やっぱり挽きたての豆は良い香りだよね。

いや、麻美ね。


そう言いながら耳を噛む。そして舌を這わせる。


おい。エロガッパ。コーヒー淹れれない。

エロガッパ?

イケボのイケオジのエロガッパ。(笑)


クスクスと笑いながらコーヒーを淹れると諒さんがトレイを出してくれた。リビングに並んで座るとコーヒーを飲みながら軽く目を閉じた諒さんから規則正しい寝息が聞こえるのはさほど時間がかからなかった。

そっとベッドルームからブランケットを取ってきたはずだったけど目が覚めた諒さんがすまん。と言って私を抱きしめながらブランケットにくるまる。


寝た方がいいよ。かなり疲れてる。

いや、大丈夫。。


そんな会話にも微睡みが付き纏う。


今日は自分で帰るからこのまま寝て。

それはダメだな。

大丈夫だから。


グダグダな会話を交わしているとハッとした顔で急に立ち上がるとおみやけと思われる袋を持ってきた。


あけていい?

もちろん。


クリスマスマーケットで買ってきてくれたのはクリスマスキャンドルとガラス細工のミニツリーとオーナメント。


かわいい。。

麻美にピッタリかな?と。。

早速帰ったら飾るね。

じゃ俺は麻美を飾らないとな。


深く首に施された唇の痕は新たな赤黒い花を咲かせ胸元には歯形。

そしてその先端にも食い込む感触が心地いい。


さて送るよ。

大丈夫。1人で帰れるしなんならタクシー呼んでもいいから。

そんな顔で1人で歩かせられないな。


クスクスと笑いながらコートを取り行くその後ろ姿がたまらなく好きで抱きついたもののなんだか恥ずかしく。。。


ミーン ミーン

なんだ冬の蝉が?


そう言った諒さんはくるりとばら撒くと今度はその先端に爪を立てて食い込ませながら摘み上げてキスをする。


あーやっぱりらこの人好きだ。