今週末はお互い予定があるので会わない。
その代わりではないがと金曜日に諒さんから会社帰りに会社の近くのカフェに呼ばれた。
チェーン店のその店は程々の人の混み具合でイヤホンをして過ごすにはちょうどいい。
なんとなくスマホを見る気にならなかったので外を行き交う人を眺めていると通りの反対側に信号待ちする諒さんを見つけた。こちらには気づいていないようでスマホで話しながら立っている姿がまたかっこいい😎
そして隣に立つ若い?女性は諒さんをチラチラと見ている。そりゃそうだ。かっこいいもん(笑)
信号が変わり歩くたびにゆれるコートの裾が妙にエロい。←どんな感性よ(笑)
歩きながらスマホを耳から外してポケットにしまう。そして店内へ。
まっすぐに歩いてくるところをみるとどうやら場所は特定されていたらしい。
「お疲れさま。」
「お疲れさまです。ストーカーしてました。」
「そか。じゃ、法令違反だから罰が必要だな。」
「ん?それってご褒美?」
「さ、出るよ。」
笑いながら促されて慌ててトレイを手にしようとするとあっさりと取られて一緒にバッグも取られた。その身のこなしに一瞬固まると「いくぞ。」振り返って言われて手を差し伸べられた。
追っかけるように外に出ると冷たい風が頬に当たって気持ちいい。そっと手を握られて通りを歩きながらコートのポケットに一緒に手を入れられる。
「どこに行くの?」
「門限は?」
「シンデレラかな?」
「お腹減った?」
「少し。」
「じゃ、先にこっちだな。」
そう言って入ったのは本屋さん。一月に出かける展覧会関連の本を見ながら数点を購入。
本屋の紙袋と私のバッグを片手に外に出ると
「少し歩くけど平気?」
「うん。大丈夫だけど、ゆっくりまでお願い。」
「早いか?」
「ドキドキしてるから息が上がる。」
「へー。」
そう言うと私の手から離れた諒さんの手が胸の上に置かれる。
えっ?と言う顔で見上げるとにっこりと笑いながら指先に力を少し込めて左の胸を鷲掴みにするとD?と言うので正解。と答える。信号待ちしてる時に耳元で「来年にはEになるよ。」と。。赤面する私を見ながらクスリと笑って歩き出した先はイタリアンのお店だった。
隣のテーブルとは離れているから静かに話せば会話は分からない。買った本の話をしながら時々ドキッとする会話が挟まる。
「初日は連れて行きたい場所があるんだがいいかな?」
「ドレスコードとかないですよね?」
「そんな堅苦しいところじゃないよ。でもできれば。。」
「ブーツがダメとか?」
「いや、髪の毛巻いてほしいなと。」
「どうして?」
「抱くときはシャワー浴びるから髪型変わるからね。」
そんなにダイレクトに言われると赤面しかないんですけど💦
「今日の巻き髪はすきだな。それは大変なのか?」
「元々ストレートなのでコテで巻いてます。レイヤー入っているので巻くとこんな感じ。」
「女性は大変だな。」
「楽しいですよ。ケアも大変ですが。(笑)」
「やっぱり若いな。肌も柔らかい。」
そう言うと手のひらを伸ばして促され私は右手を重ねるとキュッと握って包み込む。体温が同化するのは心地合い。諒さんは私より5こ年上のアラ還。とはいえ肌もしなやかで筋肉も手入れされてる。やっぱり違うなぁと思いながら見つめていると
「まだあの耄碌のこと考えてるのか?」
「そうじゃないけどそう。」
「しんどかったよな?」
「信仰宗教に洗脳された人の気持ちがよくわかる。」
「そか。初めて見た時そんなふうには見えなかった。ブログをおねーさんに教えてもらって読むと驚いた。」
「そうだと思います。」
「今はどう思ってる?」
「あんな歳の取り方はしたくないなと。」
「そか。」
「うん。変?」
「いや。それでいいと思うよ。」
並べられた料理は適当に頼んだのにちゃんと順番を整えてくれている。
ワインも美味しい。
食事をしながら話は進む。
「諒さんのこと教えて欲しいです。」
「そうだよね。俺は量より質。だから奴隷としてそばに置いた女は今まで3人。それ以外のお試し的なのを含めても10数人かな。」
「そうなんですね。NGはなんです?」
「素直でない人。答えにくいことも尋ねるけど答えないことも含めて素直に話して欲しい。プレイも同様。」
「私は素直?」
「分かりやすいほど顔に出るよね。(笑)」
「そんなこと言われたの初めてかも。」
「初めてみたときはそうは思わなかったけど2人で会うとよく分かる。」
「何考えてるかわからないとよく言われます。」
「仕事はそうだろうね。この前そう思った。」
心地よく進む会話と美味しい食事とお酒。
1週間の疲れも出てほんのりと赤くなった私を見ながらそろそろ帰った方が良さそうだね。と。。。
外に出るとこの前のタクシーが。。
家に着いて降りる時にそっと抱き寄せられてキスを交わす。
「おやすみなさい。」
「早く入りなさい。見てるから。」
そう言われた私は頭を下げてエントランスを開けると中に入った。
ふと気になって外に出るとやはりまだタクシーは止まっていて驚く私を見た諒さんが車から降りてきた。
「どうした?」
「なんとなく気になって。。」
クスクスと笑いながら一緒にエントランスに入ると部屋の前まで送ってくれた。
「最初からこうすればよかったね。」
「ありがとうございました。」
おやすみ。というと諒さんはキスをするとそのままエレベーターに乗って降りていった。
エレベーターが一階に着くまで家に入らなかった私はゆっくりと中に入る。
やっぱり見送る方が好き。