治癒へ向かう過程で、

一番、効果があったこと。


それは、

「何もしない」ことでした。


つまり、休むというシンプルなこと。


そして、これが、自分にとって、

何よりも大変なことでした。


正確には、立つことすらままならなくなり、

何も出来なくなったわけですが、


「休むと迷惑がかかる」

「頼ると迷惑がかかる」

という 根深い思い込みがあったのです。


私に限らず、

自己免疫疾患になる人は、

責任感が人一倍強かったり、

頑張り屋さんが多いように感じます。


「休んではならない」

「頼ってはならない」


その思い込みの根本原因は

私の場合、母親に起因するもので、


自分が悪くなくても

(たとえ母親が原因のことであったとしても)


「あんたが悪いのよ!」

と日常的に理不尽に責め怒鳴られるという


幼い頃からの積み重ねの体験から、

強固になり過ぎた思い込みとなっていました。


(アナフィラキシーを起こした時も、

 膠原病・リウマチを発症した時も、

 「病気になったあんたが悪いのよ!」

 「まだ若いくせに、何やってんだ!」

 と、怒鳴り責めたてられました。)


他の人の具合が悪ければ、

「ちゃんと休んで!」と促すのに、

自分には動けなくなってもなお、

働き続けろと鞭打っている。


それ以前に、アラフィフになるまで

「生きていてごめんなさい」

とも、日常的に思っていました。


母親を看取り、

今はもう責め怒鳴られることはないはずなのに。

無意識下で、ずっと感じ続けていていたのです。


無理にでも動けるうちは、

体に鞭打つことで、誤魔化し続けてしまっていた。



寝たきり状態になったことで、

何も出来ない=何もしない 私に、

「具合の悪い時には、自分を休ませる」

「出来ない時ことは、出来る方にお願いする」

というチャレンジが始まりました。


それは、母親と自分が長年かけて作り上げた

泥沼にズブズブと沈みこんでいくような息苦しさと

それでも命だけは奪われれないという安心感が共存する

狭い狭い檻の中を出ることでもありました。