彼が家出をしてる間は
ほぼ毎日会っていた。
会わなかったのは
3日間あるかないか。
もちろん仕事がある日は
四六時中一緒に
いたわけではないけど。
仕事といっても
親の会社を手伝っているので
一般の社会人よりは
かなり時間に余裕があった。
その時彼は仕事をしていない。
家のことが落ち着くまでは
仕事する気になれない、と。
どちらの家にも行けないし
ご飯を食べて
ふらふら散歩をして
漫喫、カラオケ、ファミレスで
朝まで過ごした。
外はものすごく寒かったけど
長時間公園にいたこともある。
ふたりのホームレス生活は
今となって笑い話だけれど
もう二度と
同じ生活はしたくないと思う。
井の頭公園にいる時
何気なく風景写真を撮ってから
季節が変わるたび
同じ場所で写真を撮る、という
ふたりの約束ができた。
彼は全く帰らない訳ではなく
誰もいない時間を見計らって
着替えたりお風呂に入ったり
しに行っていた。
彼女や友達からは
たくさん連絡が来ているようで
携帯を見る表情は曇っていた。
日を重ねるごとに
彼女とのことや友達、先輩とのことを
話してくれるようになり
なんとなく状況は把握できたが
わたしは彼に
家に帰ったほうがいい。
話し合いをしたほうがいい。
今のままでは何も変わらない。
毎日のように
そう言っていた気がする。
早く家に戻って
穏和な生活を取り戻してほしい。
と願いつつ
彼と離れたくない。
彼女と別れてくれれば
ずっと一緒にいれるかな。とも
思いはじめていた。
彼のことが好き。
大切。
だけど
彼と彼女のことを知っていくほどに
その気持ちをはっきり伝えることは
できなかった。
なんだかんだ言っても
彼女にはっきり別れを告げることが
できないでいる。
その理由は
まだ彼は彼女に気持ちがあるからだと
わかっていたから。
"付き合って2年以上経つし
たぶん俺のことをいちばんに
わかってるのは彼女だと思う。"
彼が話していたことを
ふと思い出した。
いくら頑張っても
過ごした時間には勝てないのかな。
そう考えたら
切なくて、胸が痛くなった。