台風が来ているので、客席は寂しいだろうなと思っていたら、
いつもより客入りが良いので、びっくり!

「仮面の男」
なんだか昔、初めてアニメの「ボボボーボ・ボーボボ」を見た時の感じ。
ボーボボは面白いのだけど、あまりにも不条理すぎて胃が痛くなり、
途中で観るのをやめた記憶が蘇った作品でした。
たぶん欧米で良くある世相を織り込んだ風刺劇の手法であり、
新聞もラジオもテレビもない昔、昔の時代、アゴラなどで演じられた
文字を読めない庶民のためのニュース的な役割を果たした大衆演劇の伝統なのでしょう。
カナダでその手法を学んだ児玉っち。
手法だけを学んで思想を学ばなかった感じかな?
最初のシーンはまじめに時代背景を説明してほしかったし、
それぞれのノイズ的な場面にアイロニーが欲しかった。
一見それっぽい歌詞や表現があるのだけど中途半端なんです。
ボーリングのシーン、姫の映像、コマの拷問のシーン、
そして晴華さんのミラーボールとか、影絵のシーンとか
ベルばらやH2$のパロディもあったり、
ひとつひとつの場面の演出は斬新で面白いんですが、
文脈にうまく埋め込まれていないのです。
スターシステムを採用するタカラヅカであることを忘れ、
自分のやりたいことを詰め込んだ感じかな?
ラストのきむみみのふたりの影絵銀橋シーンから
エンディングに向け、宝塚歌劇であることを思い出した感じ。
とは言え、ルイ14世とフィリップが舞台上で入れ替わる場面とか
エンディングの演出は凡庸だった。
ここまでやるなら、晴華さんのミラーボールを一人舞台に残し、
「私を忘れてる!」とかルイ14世とフィリップを舞台上で誰がみても
入れ替わってないのにみんなで入れ替わった体で芝居を続けるとかすればいいのにな。
初見の評価は低そうだけど、何度かみて
ストレスを感じない見方を取得すると面白いかも?
ただし、二回目を観る気を起こした人だけの特権です。
ストーリーがあってないようなバレエみたいな感じかな?
ひとつだけ言えることは映画の「仮面の男」を期待して観に行ったら、
びっくりします。

RSF
なんかプロローグでいきなりロケットがあり、
銀橋の大バーゲンで、一場面終わるごとに中詰みたいな感じになり
戦隊ものパロディもあり、
客席降りもあり、盛りだくさん。
過去の作品のオマージュなのか
どこかで見たことのある場面や衣装ばかり。
トラファルガー、ファンキーサンシャイン、ヒート・オン・ビート等など。
しかも、タカラヅカのショーの方程式を使っていないので
こちらもお芝居と一緒で一回だけでも訳がわからないショーでした。