皆さま、こんばんは。パーソナルスタイリストの三好凛佳です。
『スーツの価格は何が違う?』の第2段、型紙(パターン)についてをご紹介します。
以前、お客様とショッピング同行に行ったショップでこんな説明を受けました。
「こちらのスーツは立体裁断でできているのでシルエットがキレイです。」
思わず、おたくの他のスーツは立体裁断じゃないの?と
突っ込みたくなる気持ちを押さえつつ、お客様にご試着して頂きました。
(元デザイナーとしては、立体裁断が基本と思ってるので・笑)
同じサイズのスーツにも関わらず、シルエットの違いは一目瞭然。
立体裁断のスーツは、そうでないスーツと比べると、
身体を立体的に見せ、スタイルが良く見えます。
その立体裁断とは、名のごとく、トルソーの上で立体的に布を
ピンで留めながら組み立てて、裁断して作られたもの。
立体裁断でないものは「平面裁断」といって
紙の上で計算して描かれた型紙を使用することです。
立体的に裁断した型紙にどんなメリットがあるかは、
皆さまも想像つきますよね。
人間の体は曲線で形成されていますから、ちょっとした
カーブをつけたり、ミリ単位での調節でも見た目と着やすさが
変わってくるんです。
ただ、パーツが多く、サイズも豊富なものを立体裁断するには
やはり時間がかかってしまうもの。
実際に商品化するまでに、何度も作りなおしながら
トワールという綿の立体裁断用の生地を組み立てたり
補正したりしていくんです。
場合によっては、同じ型紙でもどんな生地や芯地を使うかで
型紙自体を補正して変えることもあるので、さらに時間がかかります。
この辺りの作業に時間をかけるかどうかで、価格にも差が産まれるんですね。
ハンガーに掛かっている商品を見ても、その差はほとんどわかりません。
見た目でわからないけど、着ているうちにわかってくるという部分です。
見分ける方法としては、いろいろ着比べて、全体のシルエットを見たり
試着時に動いてみることをおススメします。
シャツは、機能的な型紙かどうかが、ひと目でわかるパーツもありますが
スーツになると、やはり試着が重要なポイントですね。
試着すること自体、面倒に思ったり、店員さんに悪いと思う方もいらっしゃると
思いますが、そこは安価なものほど厳しい目を持つ必要はあります。
お手頃だったけど、着たら疲れる・・・。
そんなスーツでは、仕事になりませんものね!
スタイルが良く見えるスーツ選びは… パーソナルスタイリストのレアリゼスタイル