「美しい資料」が、あなたの首を静かに絞めている

フォントの種類とサイズを完璧に統一し、配色はコーポレートカラーに合わせて3色以内に抑える。余白の数ミリ単位にまでこだわり、誰が見ても直感的に理解できる美しいインフォグラフィックを配置する。

徹夜で仕上げたそのスライドを見て、「これなら絶対にコンペで勝てる」と確信したことはありませんか?

担当者の反応も上々。「すごく見やすくて素晴らしい提案ですね。これで上に通してみます」と笑顔で言われ、勝利を確信して結果を待つ。
しかし数週間後、送られてきたのは「誠に残念ながら、今回は他社様に……」という、定型文のお祈りメール。

蓋を開けてみれば、コンペに勝ったのは、文字ばかりでデザインも垢抜けない、素人が作ったようなダサい資料を提出した競合他社だった。
自分が魂を削って作った「完璧なスライド」が、あっさりとゴミ箱に捨てられる。頭の中が真っ白になる、あの『ホワイトアウト』の絶望を、私も過去に何度も味わいました。

なぜ、私たちはスライドを綺麗にするほど、負け続けるのでしょうか。

エグゼクティブが本当に見ている「見えないインデックス」

結論から言います。
決裁権を持つ役員たちは、あなたのスライドの「デザイン」など1ミリも見ていません。

私たちが信じ込まされている「見やすい資料を作れば、相手に熱意と論理が伝わる」というノウハウは、現場の担当者レベルにしか通用しない表面的なお遊びです。
数千万、数億という決裁を下すエグゼクティブたちの脳内を支配しているのは、論理でもデザインでもありません。もっと泥臭い、「保身」という強烈な感情です。

美しいスライドが提示する「この施策をやれば、これだけの利益が出ます」という正論。
しかし、役員たちが心の底で恐れているのは、「もしこの見ず知らずの業者の提案に乗って失敗した場合、自分の出世コースに傷がつくのではないか」という恐怖です。

100万円の利益を生む可能性よりも、10万円の失敗による「自分の立場の危うさ」を極端に嫌う。
それが、法人という怪物の正体です。

だからこそ、彼らは「美しい資料」よりも、社内の力学を熟知し、絶対に自分の顔に泥を塗らないであろう「安心感」を持った人間(あるいは、すでに社内のキーマンと裏で握っている人間)の、ダサい資料を選びます。

デザインを捨て、組織の「感情ルート」を読み解く

コンペで勝つために必要なのは、パワーポイントの技術を磨くことではありません。
組織図には載っていない、本当の支配者(シャドウ・パワー)は誰なのか。会議の席で、誰が誰の顔色をうかがっているのか。

そういった「感情のルート」を読み解き、決裁者の「失敗への恐怖」を先回りして拭い去る泥臭い根回しこそが、ビジネスにおける本当のデザインです。

画面の中の余白を整える暇があるなら、相手の心の中にある「不安の余白」を埋めなければなりません。これに気づかない限り、私たちは一生、安く買い叩かれる「スライド作成業者」のままなのです。


【無料】私が「ただの業者」から抜け出した手紙

もしあなたが今、どれだけ資料を作り込んでも報われず、「自分のスキル不足のせいだ」と心をすり減らしているのなら。
私が、スライドのデザインという「見栄えの罠」から抜け出し、組織の深部を動かす『参謀』へと変わるきっかけとなった、一つの手紙(メルマガ)の存在をここに置いておきます。

ここには、綺麗なスライドの作り方など一切書かれていません。
書かれているのは、人間が「保身」で動くという残酷な真理と、見えない組織の力学(インビジブル・ガバナンス)を掌握するための、30年前から変わらない本質だけです。

その手紙を静かに開く

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