『K』
@赤坂ACTシアター
2009.2.26(Thu) 19:00開演
原案:松野 一茂
脚色・演出:坪田 塁
出演:上原 翔 / 野久保直樹
野上 空也 / 伊﨑 央登
野上 海斗 / 伊﨑 右典
向田ケニー邦秋 / 八神 蓮
芹沢 耕史 / 森 新吾
真田 一馬 / 大河 元気
相葉 希実人 / 加藤 良輔
杉橋 喬一 / Takuya
秦 久里央 / 早田 剛
井川 謙信 / 千代 将太
矢田 香織 / 秋元 麻衣
堀田 久美 / 岡田 理恵
井川 勘太郎 / 林 修司
佐山 小梅 / 桑原 裕子
湯浅 貴一 / 水谷あつし
※以下、観劇した感想になります
これは、あくまで私の個人的な感想ですので
基本は良かったことばかり書いていますが、中には結構ズバズバ言っていたりもします
読んでからの苦情等は受け付けませんので、嫌な方はここでお引き換えし願います
* * *
観に行ってきました、舞台『K』
近くは度々通っていたものの、ACTシアターに入るのはこれが初めてでしたが、劇場としては、それ程大きすぎず、小さすぎない広さですかね?
客席の座り心地としては、私だけかもしれませんが、他の劇場よりも座った時の椅子の高さが、ちょっと高かったような…
でも、私は丁度良かったです
座席はQ列目だったのですが、思っていたよりも後ろすぎず、ステージを少し見下ろす感じで見やすかったです
列ごとに結構高さを変えてあったので、前の人が邪魔で見えない…ということも、殆どないのでは?
位置もほぼセンターだったので、舞台全体がよく見えましたし
私の中での劇場のレベルは高いです
ところで、舞台の内容ですが
流れとしては、まず大河さんが演じた刑事の真田が、「Lack」というショーパブで起きた殺人事件を提示して、どうしてその事件が起きたのかを説明していく、というものでした
終始、一人語りのような説明で進行され、私たち観客はまさしく、それを聞いている刑事、という位置付けだったようです
(何となくそんな感じはしましたが、刑事として講習を受けていたということは、後でパンフレットを読んで分かりました)
OPは出演者の紹介映像が流れて、上記のような真田による語りで幕が開く
説明の中で、殺されたのが6人組のダンスグループ「BUG MAD CAFE」のメンバーの一人である、“野上海斗”(ここでは確かにこう言っていたと思います)
現場に残された“K”の文字
容疑者として浮かんだ13人
その全員のイニシャルが“K”であること
写真を使ったスライドショーで淡々と状況説明がされていったのですが、ここで一つ気になったのが、被害者である野上海斗が血で書いた“K”の文字
よく見ると、Kの縦の線を書いたところで、力尽きて乱れていたんです
普通、まず縦に線を下ろしてから、斜め右上から二画目、最後に斜め右下に三本目を下ろす、っていうのがKの書き順じゃないかと
それが、どうして二画目、三画目を書いた後に、一画目を書いているのか
この時点で、これは“K”じゃないんだな、とぼんやり思ったのですが…
それはさておき
真田がストーリーテラーとなって話が進んでいき、時間を遡って経緯を見ていく
最初は、BUG MAD CAFEの6人が登場し、それぞれの位置付け、キャラクターが紹介される
リーダーの耕史
耕史の同級生で、真っ直ぐで純粋な翔
二人の後輩で、アニメやゲーム好きのいじられキャラな希実人
希実人の後輩で、ゴシック好きなSの喬一
感情が激しく、暴力的だがムードメーカーの海斗
海斗の双子の弟で、性格は正反対に寡黙な空也
この6人で構成されているBUG MAD CAFEだが、元々は耕史・翔・希実人・喬一の4人だった
海斗と空也は別に“Blast Gemini”(爆発しそうな双子)というチームで活動していたが、プロダクションの社長である湯浅の誘いで、BUG MAD CAFEへと加入し、6人チームへと変わったのだった
暗転し、再度、真田の語りへと戻る
この舞台は、過去(事件前)のシーンと現代(事件解決後)のシーンが交互になっていて、その都度過去の時間が経過する、という作り
二度目の過去のシーンでは、お笑いコンビの“ボサノバ菩薩”、通称“ボサボサ”がLuckでネタを披露しているところから始まる
ボサボサは、ツッコミの勘太郎がネタを作り、ボケのケニーがそれに従って進めるというスタイルだったが、次第にオチなどに関して意見が噛み合わなくなり、ギクシャクしていく
そんな二人の間に入り、仲を取り持とうとするのが勘太郎の弟で、Luckでボーイとして働いている謙信だったが、そんな謙信もピン芸人としてやっていきたいという夢を持っている
同様に、二人の仲直りを手助けするのが、Luckのオーナーで湯浅の愛人でもある小梅
昔は歌手を目指して湯浅と頑張っていたが、断念したという過去があり、それゆえに、メジャーデビューを目指すBUG MAD CAFEやボサボサのことを心から応援している
小梅の助言もあり、ボサボサは無事にお互いのことを理解する事ができ、コンビの絆は一層深まった
それに加え、ケニーに好意を寄せる、Luckのバーテンの堀田とケニーの恋も、あったりなかったり…
一方のBUG MAD CAFEの方はと言うと、希実人のボケなどで笑いはあるものの、海斗の存在色が強すぎたりと、ボサボサ同様にチームに亀裂が入り始めていた
それを懸命にまとめようとする翔だったが、そんな翔にも心に闇が存在した
それは、実の妹が、海斗のせいで自殺した、ということだ
憎しみを必死に押し隠してきたが、ある日、空也から一緒に海斗を殺さないかと持ち掛けられる
空也が実の兄である海斗を憎む理由は、幼い頃に一家心中を図った際、海斗が父親を蹴ったことで、海斗と空也だけが生き残り、それ以来空也は海斗が両親と兄を殺したのだと思ってきたのだと打ち明ける
空也の言葉に揺れる翔だったが、遂に2008年2月17日、空也に羽交い絞めにされ身動きの取れない海斗に、ナイフを突き立てたのだった
しかし、直後、驚きの事実が発覚する
海斗だと思って殺した相手は、実は“空也”だったのだ
全ては海斗が計画し、導いた殺人だった
警察の取調べで、翔は空也を殺してしまった後悔と、海斗への憎しみ、そして妹への思いを、静かに、時に感情を露にして吐き出した
一方の海斗だが、どうして弟である空也を殺そうとしたのか
それは、一家心中の出来事以来、空也が自分を憎んでいて、いつか殺されると怯えていたからだという
殺される前に、殺さなければ
その一心で、翔が自分を憎んでいることを利用し、空也に成りすまして殺人計画を持ちかけ、翔に殺させたのだった
海斗が空也に憎悪を抱かれていると感じた一つの理由が、昔、ストーブの前で二人で我慢比べをしていた時、空也に押されてストーブの網に触れ、火傷を負ったからだとされる
空也のダイイングメッセージの謎の答えは、ここにあった
あれは“K”ではなく、海斗の火傷の跡だったのだ
物語は真田の言葉で締めくくられる
これは、風船のように膨らんだ感情が爆発して起こった、ささやかな日常の中で起こり得る、空しい事件であると…
以上が、舞台の簡単なあらすじなのですが
一度しか観ていないので、記憶もおぼろげで、恐らく(否、きっと)勘違いしている箇所がいくつもあると思いますが、大体こんな感じで
観終わった後としては、正直もやもやした何かが胸の中に残っているような感じがあるような、何とも言えないものでした
基本的にハッピーエンドが好きということもあると思いますが、、何となく消化不良な感じがするのは、話の中でこれという“答え”が提示されなかったからかなぁ、と
憎しみを抑えきれずに相手を殺してしまう
しかし、本人ではない
殺人へと導いた者の心にも、恐怖が存在した
人の心の中の“闇”によって起きてしまった殺人に対して、結局何が言いたかったのかが、いまいちよく分からなかったというか…
本当に、今の時代にありがちな…と言ったら不適切かもしれませんが、私たちの身近で起こり得るんですよ、って呼び掛けられて、そのままみたいな
その答え(対処法)は各々で見つけて下さい、で終わっているような、上手くは言えないんですが、中途半端な状態で放り投げられた感が否めなかったです
思い出すと、空也の気持ちだけ語られなかったので、そこも知りたかったと言いますか
昔書いた作文で、「お兄ちゃん(海斗)を尊敬している」ってところを、空也の気持ちとして捉えるべきなのか、どうなのか…
ただ、ぼんやりと思ったのは、最後までお互いを分かり合えなくて最悪の結末を迎えた、翔・海斗・空也の三人と、ぶつかって喧嘩しながらも、お互いのことを理解しあった勘太郎とケニーは、この問題のそれぞれ対照的な“答え”として描かれたのかなぁ、と
私の足りない頭じゃ、ここまでが精一杯ですが…
※何度も言いますが、これは私の個人的な感想です!
物語についてはこれくらいにして
役者の皆さんについては、本当にどなたもレベルが高くて!
特に、湯浅を演じた水谷さんは、一緒に観た友人曰く、「昨日(初日)よりもずいぶんアドリブが多かった!」とのことですが、やっぱり凄いなぁ
加藤さんの怒涛のボケと、それにナイスなタイミングで突っ込む他のメンバーの、テンポの良さにも笑わせてもらいました
唯一、他の出演者と絡みがなく、淡々と一人で語っていた大河さんは、ちょくちょく混じる英語に、クスリとさせてもらいましたし
謙信役の千代さんも、ピン芸人としてのネタ披露で頑張りが伝わってきました!
コテコテのお笑いコンビを演じられた八神さんと林さんも、コントの中でのひょうきんな二人と、前半のぎこちない雰囲気の二人、そして和解後の常にハグ!な仲良しな二人という、色んな表情が見れて面白かったです
桑原さんの演じた小梅は…これはもう、実際に見てもらうのが一番!っていうくらい、色んな意味で強烈なキャラクターでした
湯浅とのラブラブも!(笑)
岡田さんの堀田は、インテリ(?)っぽいかと思いきや、バリバリの佐賀弁でいきなり愛の告白をしたりしてインパクトもあり、そのギャップが素適でした
秋元さんは音痴な歌姫の矢田を演じていましたが、もっともっと音痴でも良い!…と、友人が言っていました(笑)
あと、最後のダンスシーンも、圧巻でした!
言葉通り、息つく間もない激しいダンスに、そっち系のことには更に無知な私でも、思わず見入ってしまうくらい
最後に、今回の舞台で座長を務められた野久保さんですが
んー、正直、印象が薄かったような…
まぁ、これだけ場数を踏んで、尚且つ個性が強い面々に囲まれているのだから、その中で目立つのは大変だとは思いますが
でも、最後の一人で語る場面では、込み上げてくる思いで言葉に詰まることが何度かあり、よりリアルに伝わっていたと思います
まだあまり舞台の経験はないようなので、今後、もっと経験して、他の出演者に負けないような存在感のある役者さんになって欲しいです
偉そうですみません…
でも、応援しています!
はぁ、思った以上に長くなってしまった…
毎回こんなに書けるだろうか…?
