Mリーグの多井プロのインタビューの中で「赤ドラにも実力よりもの要素が強くなるとか賛否両論ありますけど、」という部分がありました。多井プロ自身の見解も同様なのか否かは、このインタビューからだけでははっきりとは言えませんが、少なくとも、このような意見を持つ人は一定数いることは間違いなさそうです。

http://biz-journal.jp/gj/2018/07/post_7372.html

でも、本当にそうでしょうか。運の要素(不確定要素)が増えると実力が勝敗に与える影響が相対的に弱くなるという考え方は、囲碁や将棋などの運の要素がほとんどないゲームからの類推なのではないでしょうか。麻雀の場合、どんなに不確定要素を排除しても、本質的に不確定要素を評価して、確率的に期待値的に有利な選択をするゲームで、すべてが見えている状態で先(分岐の先にある局面)を読むゲームではありません。

麻雀において、不確定要素が増えることは、期待値を計算するパラメータが増えて複雑になる、不確定要素を味方につける機会が平準化される、という側面もあるので、逆に赤ドラの導入で実力差が出やすくなることもあるような気がします。

もちろん、不確定要素の内容によっては、手選択の優劣を無効にするほど不確定要素による振れ幅が大きくなる場合もあるので、なんでも不確定要素が増えれば実力がでるというのも乱暴ですが。

赤ドラが一般的でない時代にフリーをやりまくり、15年のブランクを経て、赤ドラが一般的な現在と両方とを経験した体感としては、赤ドラはより実力が結果を左右する方向で不確定要素を増やしているように感じます。

もちろん、赤ドラありでは、より牌効率が、赤ドラなしでは、より他プレイヤーの手配を推測する能力が、というようにスキルの内容によって重点が移りますが。