『ザ・ギバー 記憶を伝える者』
著:ロイス・ローリー
訳:掛川恭子
嫌なことなんか忘れたい。
したくないと思うことありますよね。この町は嫌なことなんて、初めからありません。
整った平和な町。
地形・気候・住人の言動・行動・家族構成・記憶まで
平和に循環するように規制されている。
しかし地形や気候を規制しても、それはなくならい。
楽しい記憶や辛い記憶もなくなるわけではない。
それらを受け継ぐ人間が必要だった。
全てを規制されて平和に生きる住人と、全てを受け継ぐ者の両極から書かれた作品。
私はフィクションの中でこの本が一番すきです。
受け継ぐ者が旅に出るのですが、旅をしている最中に死んでいて 記憶の中で旅が続いているのか、そこに到達して死んだのか。受け継ぐ者が死で 無くならない記憶はどうなったのか..
結末をぼかされいるので、そこを考えるのも読む度の楽しみ。
この世界が全て規制されて平和に暮らしていたら、こうなったのかと思うと恐ろしい。実際はそうならずに、こうなったんじゃないか..と自分なりにストーリーを考えるのも面白い。
この本はもう出版していないそうです。古本屋さんとか、オークションなら手に入るかも知れません。