刑事弁護人
2019年7月1日発行
著者:亀石倫子 新田匡央
発行所:講談社
記念すべき継続読書1冊目。彼氏に勧められて読みました。
【概要】
刑事事件に奔走する女性弁護士がある日担当した事件。連続窃盗事件と思いきや、被疑者の一言でこの事件は最高裁まで進む。
「警察はそこまでやっていいんすか。」
警察は、連続窃盗の証拠収集の為、被疑者らやその周辺にGPSを付けていたのだ。
これはプライバシーの侵害にあたり、憲法違反ではないのか。
亀石を中心とする弁護団は法廷で争った。
【感想】
まずは、亀石先生を同じ女性として大変かっこよく感じた。(読む前から感じていましたが…!)
本を読んだことで彼女の経歴を詳しく知り、OL時代は制服を着ていて毎朝ラジオ体操。そして、いつも何者かになりたいと感じていたこと。本当にたまたまだけれど、今の自分と合致していて序盤から面白くなった。
私は法学者ではないし、専攻もしたことはないが、専門用語の解説が所々にありスムーズにストーリーを楽しむことができた。
亀石先生が刑事弁護という仕事に関して以下のように述べていた。
「他者への権利侵害を他人ごとにしてはいけない、それを見過ごしたらいつか自分たちに返ってくる」
「被疑者・被告人の権利を国家権力から守ることは、結局はこの社会で生きる自分たちの自由を守るためである」
世間では弁護人のことを、なぜ悪人の味方をするのか、という意見を聞くこともある。確かに、もし自分が被害者だったら、被害者と親しい間柄だったら相手のことなど到底許せないと思う。
しかし、弁護人は「被疑者、被告人」を守っている訳ではなくて、また、犯した罪を庇っているわけでもなくて、被疑者、被告人の裁かれる過程の「権利」を守っているのだと、自分の中のイメージ、考え方が少し変わった。
冤罪や誤認逮捕の報道も時折目にする。そんな時、そこから守ってくれるのは弁護人や法律の知識であると思う。
亀石先生は文中で以下のように言っていた。
「いつ、誰が疑いをかけられるかわからない。それがいつ自分に起こってもおかしくない。他人事ではない。」
ごくまれに裁判傍聴に行くが、上記の意味を強く感じる。
疑いとは怖いものであり、国家権力も時に恐ろしいものになりうるだろう。
以上。