柳井金魚ちょうちん祭りにて展示
(写真:2017年6月、銀座の展示にて)今年6月に新作「金魚ちょうちん」をギャラリー・アート・ポイント(銀座)で展示した後、金魚ちょうちん発祥の地である山口県柳井市で開催された「柳井金魚ちょうちん祭り」にも参加したので紹介します。そもそも参加に至った経緯ですが、元々この作品を作るきっかけの一つに「地元の山口県にまつわるものをモチーフにしたい」という思いがありました。そこで、およそ150年前に柳井市で生まれた郷土民芸品「金魚ちょうちん」に目をつけ、和紙ではなく布で制作したオリジナルのデザインに点描を施したのが今回の作品です。そして、銀座の展示を機に柳井市の商工会議所に問い合わせ、市役所の「金魚ちょうちん祭り」の担当者を紹介してもらい、資料を送付して「ぜひ祭りで展示したい」とお願いしたのです。ええ、半ば飛び込み営業です・・・そんな熱意が通じたのか、市役所のご厚意により今年の本祭りの8月13日を含む2日~14日までの約2週間、やない西蔵という観光施設案内兼ギャラリーの一角での展示が決定したのでありました。そうと決まれば、搬入まで残り1ヶ月を切っていましたが、せっかく参加するのに金魚一匹というのもちょっと寂しかったので、急いで小型の金魚ちょうちんを追加制作しました。上の写真、左の金魚は全長1mありますが、右の小型は1/2サイズです。小型といっても通常作られている金魚ちょうちんの大サイズと同じくらいです。これは量産型として制作したので、点描も手描きではなく布地に直接プリントしたものになります。そして、本祭り当日の8月13日。夏休みの帰省を利用して柳井市へ。実家と同じ県内とはいえ完全に逆側への移動だったので、途中まで新幹線を利用しても片道2時間以上の旅となりました。真っ赤な金魚ちょうちんが出迎えてくれる中、まずは「やない西蔵」へ足を運びました。ここは大正時代の白壁土蔵造りの建物で、醤油蔵として使用されていたものを所有者から市へ寄贈された、ギャラリーおよび体験工房の複合型観光施設だそうです。中に入ると、すぐに自分の金魚が目に入りました。蔵造りの高い天井の下、ゆらゆらとモノクロの金魚ちょうちんが泳いでいました。↑小型の金魚も発見。外の通りでも祭りの中に混じって金魚を発見。実は、この外の金魚は数千個ある赤い金魚の中からモノクロ金魚を見つけてもらおうという、市役所の粋な計らいだったのでした。夜になると、街中の金魚が点灯され、私の金魚にも明りが灯っていました。・・・というか、布が歪んでるせいで泣いてるみたい(汗)しばし柳井の夜の街並みを散策・・・と言いたい所ですが、さすがに地元で人気のお祭りなのですごい人混み・・・米軍の岩国基地が近いこともあり、外国の方も沢山見かけました。今回、小規模な展示ながらも「地元で個展」という夢へ一歩前進できた様な気がします。協力して頂いた柳井市役所の方々に大変感謝いたします。