今でこそTwitterは「X」に名前を変え、ポストやスレッドといった新しい文化が生まれていますが、僕が高校生だった頃は、まだ「Twitter」でした。

ツイート、リツイートが当たり前の呼び方で、いいねは数だけでなく「誰がいいねしたか」、さらにその人の「いいね欄」まで丸見えの、あの少しギスギス感のある時代。


当時のフォロワー数は、

・同じ学校の同期・先輩・後輩だけ → 100〜200人

・他校の友達ともつながっている → 300人超え

という感覚でした。


文化祭準備が進むと、作業の大変さや日々の出来事をツイートすることが増えます。

でも、やたらとツイートしまくると、つながっている大勢の人に「ゴミツイート」が届いてしまう…。

そこでイベント班の間で流行り始めたのが 縮小垢 です。

30人くらいの仲の良い友達だけをフォロー・フォロワーにした、小さなクローズド空間のアカウント。


最初は数人だけが持っていたのですが、その波はどんどん広がり、最終的には班の20人くらいが縮小垢を持つようになっていました。


僕自身は縮小垢は作らなかったものの、みんなの縮小垢と僕の本垢はつながっていました。

そしてもちろん、みんなの縮小垢はHくんとは一切つながっていません。

これは、全員が徹底していた暗黙のルール。「Hくんにだけは絶対に見つからないように」という共通認識があったんです。


でもHくんの自己中心的な行動は相変わらずで、縮小垢ではHくんへの愚痴ツイート(いわゆる陰口)が飛び交う日々。

学校ではこそこそ話し、帰宅後はTwitterでストレス発散――そんな流れができていました。


もちろん、「バレないように」という意識はみんな持っていたのですが…。


ある日、事件が起こります。


Hくんの本垢から、こんな衝撃のツイートが流れてきたんです。

「みんな裏垢作って、俺のことこんな風にツイートしてるんだな。」


――全員、頭が真っ白になりました。

「どうしてバレた!?」「まさか内通者がいるのか!?」

疑心暗鬼と動揺が一気に広がり、文化祭準備とは別の緊張感が漂い始めた瞬間でした。


(続く)