初日の朝一番で観てきました!

新海監督の作品に出会ったのは割りと最近の事です。
2~3年前と記憶してますが定かではありません。

元々ロボットSFアニメの好きな僕は新しく観始めようとレンタル屋さんで手にしたのが、ほしのこえでした。
それから監督の世界観に惚れ込み、秒速~、星を追う~、雲の向こう~、などの作品を立て続けに観ました。

今回の君の名は。は現在の職場で推してることもあり、情報が早くて、楽しみにしてましたので、初日に休みを入れて観てきちゃいました。

何よりも僕が気にしていた部分は「方言」です。

僕は13歳(中1)まで岐阜県のとある集落で暮らしていました。

ものすごく山の奥で、今となってはいい思い出ですが、
登場人物の少女同様に都会に憧れる田舎者だったと思います。

少女は「東京」に憧れていますが、地域的&体験談から個人的に言わせてもらうと「名古屋」に憧れるのが普通なのになぁ~、なんて思っていたりもしてますw

映画なのでかなり美化された方言でしたが、とにかく懐かしく、少女の妹の割りと濃い方言を聞くたびに目頭が熱くなるのを感じていました。

13歳、あの日母親とアニキと夜逃げ同然で飛び出した故郷の言葉は、今となってはただただ懐かしさを覚えました。

あの日まで、田舎での日常は僕にとってはごく普通で、テレビに映る都会は遠い異国のように感じていました。

きっと少女も入れ替わりによって突然都会に飛ばされ、大きなカルチャーショックとそれと同様にトキメキ、ワクワクといった感情があったに違いありません。

僕にはアニメ映画はとても大事な存在で、13歳がターニングポイントになっている自分にとって、魔女の宅急便が特にリスペクトしている作品です。
事実、引っ越した直後の不安定な時期には1ヶ月で10数回も見返すほどに観ていた黒歴史もありますねw

さて、君の名は。で印象深い所では、やはり道路でしょうか。

アスファルトで鋪装された道は実に少なく、石・コンクリートといったデコボコ道、獣道など僕の記憶とリンクするものが数多く出てきていました。
途切れ途切れのガードレールなど、実に田舎の再現が細かくて、監督の岐阜の田舎の研究が細部にわたっていることが伺えて、とても嬉しくなる場面がありました。

見渡す限りの山々は想像に値するものだとしても、村を遠目から見たとき、そこには建物が映らず、森、林のなかに灯りが見えるといった表現は、田舎らしい表現ではなく、そういった場所で暮らしていた僕にとってはまさに真実の光景でした。

劇中に「日照時間が短い」というセリフがありました。
「それな!」
と、叫びたくなるセリフでしたねw
山の中というのは近くの山に遮られ、太陽は早くに見えなくなり、家の灯りなども届くわけもなく、真っ暗闇が一気に訪れます。

中1の秋、同級生との帰り道で林と林の間に沈む夕陽を背中に山道を帰る自分の姿を思い出し、ここでも溢れそうな涙をこらえて、この映画をしっかり観なくちゃ!と、目を凝らしていました。

君の名は。のストーリーそのものは幾重のSFアニメを観てきた僕には真新しいものはありませんでしたが、生まれ故郷を連想させる描写に感受性の全てを持って行かれた!という作品です。

ファンになって数年でしかない、にわか新海ファンではありますが、岐阜の田舎を舞台としてくれた事に深くお礼を申し上げます。

監督のファンであり続けようと心に再度誓えた作品であり、監督の作品では珍しいハッピーエンドだったことが「時世かな?」とも感じさせられ、より多くの若者からのファンを増やせるきっかけになっただろうと、大変嬉しく思います。

これからも職場を通じて新海監督の作品をより多くの人に知ってもらうための活動を地道にしていきます。

監督、大好きです!