こんにちは。
リバース・フロウの清原です。
年末独特の騒々しさが街中すみずみにまで届き始めました。
皆さま、お風邪など召していませんか?
日本独特のこの時期にしかない風習は、なんだか滑稽ですね。
・忘年会
・大掃除
・年末のあいさつ回り
・年賀状
・年始のあいさつ回り
・新年会
「今年もお世話になりました」
「今年もよろしくお願します」
私たち日本人はこの時期たった数週間で、こんなにも慌ただしいやり取りや宴会をこなします。
しかもその間、誰もがクリスチャンの真似事までしなければならないという、かなりの器用さが求められます。
いったい、この「今年」という概念は、どこから来ているのでしょう?
なぜ、1月1日を挟んで、「お世話になりました」と「よろしく」を慌ただしく交わさなければならないのでしょう?
「1年経てばリセット」
まさか、そんな都合の良い概念はないと思いますが、
時間という概念は、1年でなくとも、1ヵ月もあれば1週間もあり、また、1時間もあれば1分、1秒だってあるはずです。
ただ、時間軸に立って、ものごとや関係性を清算したり改めようとする考えは、悪いことでないと思います。
とはいえ、ものごとはそれほど単純でなく、いわゆる現代社会の産物である「直線的思考」が優位に立っているのは否めません。
実際にビジネスにおいては、その思考法によって、一部の人が周りを引っ張ってきたという事実もあります。
「直線的思考」とは、
「時間軸はまっすぐに直線的に伸びる」ととらえ、原因や過去についてはこだわらない思考法です。
直線にともなって時間が伸びていくので、一見スピード感をもって成長するように見えるのですが、人との関係性もご縁も、その場限りになりがちな考え方です。
そして、同じ失敗を繰り返します。
私は長年、人材育成に関わり、この考え方を持つ人があまりにも多いことに気づきました。
まあ、「拡大」が命題である資本主義においては、ある意味当たり前の考え方なのかもしれません。
ですが、そんな現代を果たして「人間にとって幸せか?」と問われると、私は必ずしもそうは思いません。
では、ここからが本題なのですが、
上記の「直線的思考」を持つ人。
つまり一見、スピード感があり、爽快で、前向きで、上昇基調の人たちがいる一方で、世の中には違うタイプの考え方をする人もいます。
・何度も同じことを繰り返しているように見えても、
・少しずつ改善を加えながら、
・過去を償ったり、
・ほんのわずかな改善や変化を積み上げたりして、
”少しだけ角度のあるループ”を描く人です。
そんな人を、「円環的思考」の持ち主と言います。
身近な例を挙げます。
例えば、こんな場面をよく見かけませんか?
週末のファミリーレストラン。
幼い子供と、若い夫婦が席について、食事をしています。
母親は、自分の幼子のために、息を吹きかけながらスープを冷ましたり、食べやすいようにおかずをスプーンで砕いて、口に運んであげる。
子供が、ようやく口をもぐもぐさせ始めると、母親は自分の口にやっと食べ物を入れる。
一方、父親。
そんな様子を意に介さず、さっさと自分だけ食事を済ませ、あとは退屈そうにスマホをいじっている。
あるいは、「自分の手が空いたから」子供の介助をする。
そして、母親。
子供が食事に飽きて、食器で遊びだす。
スプーンを放り投げる。
母親は自分の食事はさておいて、我が子をたしなめながらも、スプーンを拾ってテーブルに置く。
しかし子供は、またしてもそのスプーンを面白がって、放り投げる。
母親はまたテーブルの下に頭を突っ込み、スプーンを拾ってテーブルに置く。
幼子は、さらにまた...
そんな様子を見ている父親。
「いい加減にしなさい!」と、幼子に怒鳴る。
びっくりした幼子は、泣き出す。
父親は、イラつく。
母親は、我が子をなだめる。
どこにでもあるような風景です。
私もじつは、十数年ほど前は、こんなタイプの父親のひとりでした。
しかし、ここに、母親の「円環的思考」と、父親の「直線的思考」が如実に現れているような気がするのです。
直線的思考の人には、「成長の限界」が早いうちに訪れるのではないかと思っています。
一本の直線的な道を、まっすぐに同じスピードでひたすら進むことが、成長だと思っているからです。
同じことを繰り返すことができない。また、同じ道に戻ることを嫌うからです。
彼らの論理から言えば、それは「成長」ではないのです。
自分と同じスピード感でついてこられない人たち、あるいは道を後戻りする人は、「成長していない」と断罪してしまいがちです。
一方で、
円環的思考の持ち主は、じっくりと成長し続けることができます。
子供が食器をテーブルから落とすたびに、
腰を折ってかがみ込み、何度だって、淡々と、食器を拾い上げる。
このタイプの人たちは、
”相手”の成長速度に”自分”を合わせることができるのだと思います。
一見、あまりにも遅々としていて、前に進んでいるようには見えず、いやむしろ、前にいたところに戻っているように見える。
しかし、その人にとって、その行為は「リセット」なのではありません。
自分に関わる物事や人が、もっとそれらしく最適に変化をするまで「待つ」ことができる、
ということなのだと思います。
そのためには、何度だってそこに戻ることができる。
つまり、成長に必要なモノやコトを「積み上げている」のです。
私は、どちらの思考法が良いか悪いかを判断するつもりはありません。
もちろん、現代社会においてビジネスを成長させるとき、「直線的思考」が優位なのは間違いないでしょう。
いちいち前例などに戻ってはいられないことも事実です。
細かなことはさておき、「まずはやってみる」ことが大切なのも、事実です。
ところが、こと「人を育てる」となると、私は円環的思考が有効だと考えます。
なぜなら、「もう一度、戻ることができる」からです。
人間なんて、今日成長したと思ったら、明日はまた元に戻ったように見える。
そんな生き物だからです。
これは、子育てに関わった人なら、誰でも心当たりのある事象だと思います。
そういう意味で、
人材育成に、「直線的思考」はむしろ邪魔になるでしょう。たとえば、
「人の成長には時間がかかる」と、口先では言いながら、
「ヤツは使えない」と、まるでモノのようなレッテルを貼る。
こうしたタイプのボスの存在は、いまだ少なくない気がします。
まるで「神」にでもなったかのような、全能感(笑)
あらためて...企業は、長期的に成長をすることが宿命づけられています。
それをまるで忘れてしまったかのような風潮に触れるたび、私は危機感を覚えます。
人の成長の速度は、人それぞれです。
何をもって「成長」と定義づけるのか。まずはそこから整理してみてみてはいかがでしょうか。
私が「企業の成長には風土改善が大切」といつもお伝えしているのは、こうした背景があるからなのです。
ヒントは「人の成長を促す環境」にあります。
今後もこのコラムで、答えをご一緒に探っていきましょう。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
清原による【経営コラム】も、今年最後となります。
皆さま、よいお年をお迎えください。
「自己の腕前を人に示さないことことこそが、
真の腕前である」
※写真は「日本の専門コンサルタント100(2020年版)」に掲載された、私の紹介記事です。
「専門性の高い組織開発コンサルタント」として、紹介いただきました。
2018年につづき、2度目の掲載です。ますますがんばってまいります。

引用元:【経営コラム】人材育成に必要な思考法
リバース・フロウの清原です。
皆さま、お風邪など召していませんか?
日本独特のこの時期にしかない風習は、なんだか滑稽ですね。
・忘年会
・大掃除
・年末のあいさつ回り
・年賀状
・年始のあいさつ回り
・新年会
「今年もお世話になりました」
「今年もよろしくお願します」
私たち日本人はこの時期たった数週間で、こんなにも慌ただしいやり取りや宴会をこなします。
しかもその間、誰もがクリスチャンの真似事までしなければならないという、かなりの器用さが求められます。
いったい、この「今年」という概念は、どこから来ているのでしょう?
なぜ、1月1日を挟んで、「お世話になりました」と「よろしく」を慌ただしく交わさなければならないのでしょう?
「1年経てばリセット」
まさか、そんな都合の良い概念はないと思いますが、
時間という概念は、1年でなくとも、1ヵ月もあれば1週間もあり、また、1時間もあれば1分、1秒だってあるはずです。
ただ、時間軸に立って、ものごとや関係性を清算したり改めようとする考えは、悪いことでないと思います。
とはいえ、ものごとはそれほど単純でなく、いわゆる現代社会の産物である「直線的思考」が優位に立っているのは否めません。
実際にビジネスにおいては、その思考法によって、一部の人が周りを引っ張ってきたという事実もあります。
「直線的思考」とは、
「時間軸はまっすぐに直線的に伸びる」ととらえ、原因や過去についてはこだわらない思考法です。
直線にともなって時間が伸びていくので、一見スピード感をもって成長するように見えるのですが、人との関係性もご縁も、その場限りになりがちな考え方です。
そして、同じ失敗を繰り返します。
私は長年、人材育成に関わり、この考え方を持つ人があまりにも多いことに気づきました。
まあ、「拡大」が命題である資本主義においては、ある意味当たり前の考え方なのかもしれません。
ですが、そんな現代を果たして「人間にとって幸せか?」と問われると、私は必ずしもそうは思いません。
では、ここからが本題なのですが、
上記の「直線的思考」を持つ人。
つまり一見、スピード感があり、爽快で、前向きで、上昇基調の人たちがいる一方で、世の中には違うタイプの考え方をする人もいます。
・何度も同じことを繰り返しているように見えても、
・少しずつ改善を加えながら、
・過去を償ったり、
・ほんのわずかな改善や変化を積み上げたりして、
”少しだけ角度のあるループ”を描く人です。
そんな人を、「円環的思考」の持ち主と言います。
身近な例を挙げます。
例えば、こんな場面をよく見かけませんか?
週末のファミリーレストラン。
幼い子供と、若い夫婦が席について、食事をしています。
母親は、自分の幼子のために、息を吹きかけながらスープを冷ましたり、食べやすいようにおかずをスプーンで砕いて、口に運んであげる。
子供が、ようやく口をもぐもぐさせ始めると、母親は自分の口にやっと食べ物を入れる。
一方、父親。
そんな様子を意に介さず、さっさと自分だけ食事を済ませ、あとは退屈そうにスマホをいじっている。
あるいは、「自分の手が空いたから」子供の介助をする。
そして、母親。
子供が食事に飽きて、食器で遊びだす。
スプーンを放り投げる。
母親は自分の食事はさておいて、我が子をたしなめながらも、スプーンを拾ってテーブルに置く。
しかし子供は、またしてもそのスプーンを面白がって、放り投げる。
母親はまたテーブルの下に頭を突っ込み、スプーンを拾ってテーブルに置く。
幼子は、さらにまた...
そんな様子を見ている父親。
「いい加減にしなさい!」と、幼子に怒鳴る。
びっくりした幼子は、泣き出す。
父親は、イラつく。
母親は、我が子をなだめる。
どこにでもあるような風景です。
私もじつは、十数年ほど前は、こんなタイプの父親のひとりでした。
しかし、ここに、母親の「円環的思考」と、父親の「直線的思考」が如実に現れているような気がするのです。
直線的思考の人には、「成長の限界」が早いうちに訪れるのではないかと思っています。
一本の直線的な道を、まっすぐに同じスピードでひたすら進むことが、成長だと思っているからです。
同じことを繰り返すことができない。また、同じ道に戻ることを嫌うからです。
彼らの論理から言えば、それは「成長」ではないのです。
自分と同じスピード感でついてこられない人たち、あるいは道を後戻りする人は、「成長していない」と断罪してしまいがちです。
一方で、
円環的思考の持ち主は、じっくりと成長し続けることができます。
子供が食器をテーブルから落とすたびに、
腰を折ってかがみ込み、何度だって、淡々と、食器を拾い上げる。
このタイプの人たちは、
”相手”の成長速度に”自分”を合わせることができるのだと思います。
一見、あまりにも遅々としていて、前に進んでいるようには見えず、いやむしろ、前にいたところに戻っているように見える。
しかし、その人にとって、その行為は「リセット」なのではありません。
自分に関わる物事や人が、もっとそれらしく最適に変化をするまで「待つ」ことができる、
ということなのだと思います。
そのためには、何度だってそこに戻ることができる。
つまり、成長に必要なモノやコトを「積み上げている」のです。
私は、どちらの思考法が良いか悪いかを判断するつもりはありません。
もちろん、現代社会においてビジネスを成長させるとき、「直線的思考」が優位なのは間違いないでしょう。
いちいち前例などに戻ってはいられないことも事実です。
細かなことはさておき、「まずはやってみる」ことが大切なのも、事実です。
ところが、こと「人を育てる」となると、私は円環的思考が有効だと考えます。
なぜなら、「もう一度、戻ることができる」からです。
人間なんて、今日成長したと思ったら、明日はまた元に戻ったように見える。
そんな生き物だからです。
これは、子育てに関わった人なら、誰でも心当たりのある事象だと思います。
そういう意味で、
人材育成に、「直線的思考」はむしろ邪魔になるでしょう。たとえば、
「人の成長には時間がかかる」と、口先では言いながら、
「ヤツは使えない」と、まるでモノのようなレッテルを貼る。
こうしたタイプのボスの存在は、いまだ少なくない気がします。
まるで「神」にでもなったかのような、全能感(笑)
あらためて...企業は、長期的に成長をすることが宿命づけられています。
それをまるで忘れてしまったかのような風潮に触れるたび、私は危機感を覚えます。
人の成長の速度は、人それぞれです。
何をもって「成長」と定義づけるのか。まずはそこから整理してみてみてはいかがでしょうか。
私が「企業の成長には風土改善が大切」といつもお伝えしているのは、こうした背景があるからなのです。
ヒントは「人の成長を促す環境」にあります。
今後もこのコラムで、答えをご一緒に探っていきましょう。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
清原による【経営コラム】も、今年最後となります。
皆さま、よいお年をお迎えください。
~人生とビジネスをフローにするために★☆
◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)
◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)
「自己の腕前を人に示さないことことこそが、
真の腕前である」
※写真は「日本の専門コンサルタント100(2020年版)」に掲載された、私の紹介記事です。
「専門性の高い組織開発コンサルタント」として、紹介いただきました。
2018年につづき、2度目の掲載です。ますますがんばってまいります。

引用元:【経営コラム】人材育成に必要な思考法
