H.9.5.9入会 職業: 化学研究 岡山大学 名誉教授 S.23.1.11生

 

だれが言ったか知らないが,昨今はグローバル化流行りである。ただ,それを否定して選挙に勝った大統領もおり,グローバル化が必ずしも全ての人たちに普く幸せをもたらすとは言えないようだ。

 

 国も大学も人材育成と研究の観点から,国際的関係強化に乗り出し,大量の留学生の受け入れとか邦人学生の海外留学推進とか,失敗政策を矢継ぎ早に展開している。ネコや犬の子を貰い受けるときにも増してきめ細かい対応が必要で,住居・医療をはじめそれに係る制度・費用の裏付けなしでは,その効果は半減するどころか,留学生がわが国に対して悪印象のみをもつことになる。

 

そういう環境の下,筆者自身も1年間米国に,10年を隔てて断続的に1ヶ月ずつパリに研究滞在し,さらに多く中国から私費・公費負担の留学生・研究者を受け入れ,ともに学び研究を進めた。

 

 現在では,ほとんどが母国や米国の大学の教授・准教授として活躍している。そのときの研究室のスタッフと本人たちの大きな努力の賜物であり,感謝に耐えない。国際会議での活動から国外大学との共同研究も進展した。一線を離れた現在当時を顧みて,苦しいことも当然多かったが,人との交流は何よりも楽しいことであった。ロータリー入会もそういう時代だった。