バスキアに告ぐ -8ページ目

バスキアに告ぐ

デジタル一眼に浮かれての暇潰し

死に直結するような危ない道は歩いた事がない

日常に収まる範囲の危機なら何回か乗り越えた

問題を先伸ばしにしてる事もある

若い頃は平坦で真っ直ぐな道なんてつまらないと思っていた

僕がどんなに言葉を選んでも歴史に使い古されたイメーにジしかならないだろう

暖かい春の午後に生温い風を受けて五分だけ歩く

夏の夕暮れにシャワーを浴びて扇風機の前に座る

秋の木々の命が燃える頃に長袖の服で夜の街を歩く

冬の澄んだ空気が乾いた遠くの音を静かに揺らす


何年か前からは当たり前だとは思わなくなった

そういう時に本当に幸せだと感じる

その一瞬の為に季節を乗り越えて生きたいと思う
妙に広くなった部屋

俺が汚さない限り乱れる事はなくなった部屋
バスタオルの減るスピードも二分の一に

帰ると電気がついている事もないだろう

色々な事が変化する

あの歌声を聞く事もないだろう

ホームレスの生活にすら惰性が潜む

日常に支障をきたさない程度の刺激を求め

隣人以上の幸福を望み
明日に夢を描く事を怠り

創作活動で心を鎮め

休日の予定を埋めて

独りの夜に嘆き

現状の不満を並べて

それでも今夜も眠る


疲れたというのは容易い
だから今日も口には出さない