おとついの朝のことでした。
駅から会社に急ぐ道。
まだ時間も少し早く、閑散とした通りの真ん中で、大きな荷物を拾おうとしている女性。
目の端にチラッと止めながら、気にせず通り過ぎようとしたのですが。
僕のすぐ前で、歩道に立って心配そうな顔で、その光景を見ている別の女性の姿が目に入りました。
思わず、視線の先を目で追ってみると。
通りの真ん中にしゃがみ込んだ女性。制服姿のOLさんのようです。
荷物かと思っていたのは新聞紙。何かに被せて、それを青いゴミ袋に入れようとしています。
急ぎ足で通り過ぎながら、その新聞紙の下から、黒い固まりと、染み出した赤いものが見えて。
そのとき初めて、おそらく車に轢かれてしまった動物(猫でしょうか)の亡骸を、その女性が片付けてあげようとしているのだと理解できました。
道の真ん中で、おそらく無残な姿を晒していたであろう猫と、一人で新聞紙とゴミ袋を用意してかけつけて、ゴミ袋に入れるために悪戦苦闘している彼女。
彼女の勇気と心遣いに胸を打たれながら。次第に今度は、自分なら、と思ってきました。
自分なら、そっと目を背けるしかできない。。。
そのまま歩みをすすめながら、徐々に後悔の思いが湧きあがってきました。
いつもより早い出勤。多少時間を取っても支障はありませんでした。
自分から何かできなくても、彼女に手を貸すくらいならできたはず。
ひとりきりで、道の真ん中で手間取っていた風の彼女に。
何もできない。というより、何もしようとしなかったことに、後悔の思いが消えません。
今朝の雨で、もう通りにはそんな出来事をうかがわせるものは何も残っていませんでした。