概要

 

魔族の女王を主人公に、魔女狩りに来る人間達を迎え撃つ、タワーディフェンス+ハクスラゲーム(App store上のカテゴリー)です。タワーディフェンスを名乗っているものの、後述する通り実際はタワーディフェンス要素は少なめです。無料で、その代わり広告を見させられるシステムですが、広告の量は比較的良心的だと思います。グラフィックも可愛いらしく、無料でこのクオリティは素晴らしいと思いますが、その代わりゲーム自体はさほど面白くありません。☆☆★★★(3/5)
 

 

  良い点

 

  • 無料。広告はありますが、強制の広告の多くは5秒でスキップでき、長いものでも30秒程度。頻度も然程多くないことから、良心的と思います。プレイしていて広告が苦痛に感じることはありませんでした。
 
  • ドット絵が可愛いすぎず適度に悪魔感も出ていて、また戦闘時にはちゃんとアクションもするので、グラフィック面はクオリティが高いと思います。
 
  • 仲間の魔族同士を掛け合わせてより強い仲間を作ることができるのですが、その際の組み合わせを考えたり、より強い魔族ができていくのを見るは楽しいです。
 
  • ハクスラ好きな方にはオススメ。手に入るアイテムの性能がランダムなので、繰り返しプレイしてより強いアイテムを集めるというハクスラ要素があります。
 

 

  悪い点

 

  • 戦闘自体は非常につまらないです。完全自動戦闘で、戦闘中にできることがほぼありません。一応、回数限定でスペルが使えるものの、正直合っても無くても大差ないため、ただただ自動戦闘を眺めるだけになります。最初はそれでも楽しんで見ていられますが、ただでさえ飽きてくる後半には、無駄に敵の数が増えて時間がかかるようになります。
(実際の戦闘の画面。画面下にあるスペルをいつ使うのか、ということしか操作がない。そしていつ使っても大差ない。敵の残数が右上に表示されているが、1戦で200人以上になる)
  • 戦略性も低く、どの仲間にどの装備をさせるか、どこに配置をするか、といった戦略が戦闘の結果に影響を与える影響はごく小さく、レベルの影響の方が大きいため、敵に負けたときは戦略を考え直すより、レベル上げをするのが最適解になります。ご丁寧に自動装備、自動配置の機能もあるため、結局は脳死状態でただひたすらレベル上げをすることになります。
 
  • 上記の通り、戦闘において戦術性も戦略性もほぼ皆無なため、最終的には戦闘を眺めることすらしなくなります。戦闘開始を押したらしばらく放置して、終わるころに確認する、という作業の繰り返しになります。このため、ゲーム終盤はプレイするのが正直苦痛で、一応レビュー書くためにクリアまではやろうというモチベーションだけでプレイしていました
 
  • ゲーム制作側も戦闘が詰まらないのは分かっているようで、「戦闘を3倍速にする」という機能がついています。でも1-2分毎に結果を確認してまた次の戦闘を始めるのもだんだん面倒になってきます。そこでなんと2週目以降は、結果確認までスキップ、1回から100回まですべての戦闘を自動で行ってくれるというモードができます。これで素晴らしいことに、1時間ほどスマホを放置しておくだけで、自動でレベル上げができるのです!でも、それならもういっそ戦闘スキップさせてくれたら良かったんじゃないでしょうか?ってこれってもはやプレイしている意味あるのでしょうか・・・?確かにユニットを配置してウェーブをクリアするという点はタワーディフェンスなのかもしれませんが、戦闘をスキップしたくなるゲームをタワーディフェンスと呼ぶのは間違っている気がします。
 
  • ちなみにストーリーもほぼあって無いようなものですし、どこかちぐはぐです。主人公は魔族側なので、人間が悪役として描かれており、人間側は基本的に「魔族絶対に滅ぼすべし!」という狂信者です。一方の主人公は一見すると善人に描かれているのですが、「どうして私たちは害を及ぼすつもりはないのに攻めてくるの?」(近隣の村から人々を誘拐しては生贄に捧げているけど、これは守るための力をつけるためだから、正当防衛だよね!)「人間は力を得るために魔族を食べるの?なんて野蛮な!」(自分たちが人間を食べるのはお腹が空くからだから、野蛮じゃないよ!)「私は命乞いをすれば、攻めてきた人間にだって慈悲を掛けるよ、優しいでしょ」(まぁでも結局部下が必ずとどめを刺すんだけどね、それは部下の判断だから! )(セリフは作中のものを意訳)といった感じで、悪意はないのかもしれませんが、人間とは永遠に分かり合えないのも納得です。狙ってそういう設定にしているなら感心しますが、エンディングを見る限りはそうでもなさそうです。

 

  総評

戦闘をスキップしたくなるタワーディフェンス×ハクスラゲームです。無料であること、広告も少ないことを考慮して☆☆★★★(3/5)ですが、正直ゲーム性だけなら☆☆☆★★(2/5)です。暇つぶし程度ならオススメできますが、面白いゲームをプレイしたいという方にはオススメできません。