妄想タイム
久々に洋画を正門くんと見に出掛けた
ミステリーだけど男女の話も当然絡んでくる、ザ・アメリカ!を感じさせる作り方
映画館を出るやいなや、引っかかったとこがあったので私はこう切り出した
『ねーねー、なんで彼らはキスしながら、すぐに服を脱ぎたがると思う?せわしなく脱ぎながら、脱がせながらが、多いよね?』
【誰が犯人か?じゃなくて、そこが気になったんですか?】
若干、呆れながらも私の話を聞いてくれる彼は、今日も甘い
【そういう描写が多いってことは、そういうスタイルが海外では主流なんですかね?】
彼らしい真面目なリアクションだった
あ!うーん、どうだったかな?
【あ!ってナニ?】
私の大きな独り言がすんなりと彼に届いてしまった
【どうだったかな?って、どういう意味ですか?】
『いや、思い起こせば…』
彼が横で怪訝な顔をしていることなんて微塵も知らずに私は続けた
『日本の映画でもそういう忙しない表現があったことを思い出して、だからお国柄問わず、映画での描写としてはあれがデフォルトだったりするのかも、って』
【はぁぁ、そういうことか…】
気の抜けた声に思わず笑ってしまった
【なにやら思わせぶりな始まりかたでしたよ!!】
私が腕に抱きつくと、彼の顔の筋肉はフニャフニャに柔らかくなっていった
『過去に見た映画を思い出しただけでした』
【ホンマ、取り越し苦労やった…】
『何を想像してたの?』
【ふん!!もう、腹減った】
そんなことを言いながらも、彼の手のひらは嘘をつかない、汗ばんでる肌が愛しい
…
家に着き、真っ先に相手の服に手をかけたのは私の方だった
Tシャツ越しに、彼の鎖骨辺りにスルっと指を滑らせ、下からあえて覗き込んで彼の反応を見た
分かりやすく戸惑う表情は、私を暴走させてしまいそうな破壊力が備わっている
『脱がせてみてもいい?』
こんな言葉を合図に、一気に!
なーんて、野暮なことは致しません
脱いだらゲームは終わってしまうし、つまらない
言葉でも絡みたい
ゲームは始まったばかり
彼の肌質を確認するかのように、少しずつ彼のシャツの中に手を忍ばせる
【脱がせてくれるん?】
彼の湿度高めな低い声がトリガーになった
『背中、ちょっと汗かいてきたね』
しっとりとしてきた身体を指先でゆっくり撫でると、彼は【あえて言われると恥ずかしい】と耳を赤くした
見つめながら耳を触ると、彼は小さな声を漏らした
『耳、そんなに敏感だった?』
【今、どこ触られてもヤバいかも】
こうなったら、とことん時間をかけて焦らしてみようかな
その前に私に限界がくるかも…