妄想タイム


彼の望み通り、アイスを食べ終わるのを真横に座り見届けてから、私はシャワーを浴びた

リビングに戻ると、新しいTシャツに着替えている最中の彼の背中が見えた

無防備な瞬間を見ると、ついつい淫靡な気持ちのスイッチが入りそうになる

思わず手が伸びそうになった衝動を抑えた


【あの、これってミックスベジタブルですよね…】

クタッとしたものへと変化した冷凍食品を手に近付いてきた正門くん

『もう溶けちゃった?なら次はコーンにしようか!』と冷凍庫を開ける私を彼は不思議そうに見ていたことを、私は知らない

【起きたら冷凍食品が枕のところにあって、こんな経験初めてやから、なんで?って…】

『冷凍食品はまた凍らせれば使えるし、細かい粒の方が頭痛くないかなーって』

【なるほど、言われてみれば】


ソファで丸くなった私は浅い眠りを行ったり来たり

明け方に彼の様子を見に行くと、頭の下のコーンはすっかり柔らかくなり、充分に役目を果たしたのが分かる

はぁ、良かった

思わず彼の頬に手を当てて眺めていたら、彼の目が開いた

『うわっ、いつから起きてたの?』

【寝込みを襲うだなんて、エッチやなぁ】

あ、そうか…何も考えることなく、スッと襲う手もあったか(笑)

『よっぽど私に触ってほしかったんだね、そうかそうか(笑)』

【もぅ、ホンマ意地悪なとこ出てるー!】

『元気になったらね』

【熱、だいぶ下がったから元気やで】

『まだ時間早いから、ゆっくり寝て』

【○○さん、目ぇ開いてへんやん】

『眠いもん』

【なら、一緒に寝ませんか?】


逆らうな、従え、素直になれ、ワタシ!

スルっとベッドに入ると、彼はニコニコしながら後ろからハグしてくれた

お腹に回した手が次第に動き出し、首元に顔を埋めてきた

彼の髪の毛が顔に当たり、くすぐったさが心地よかったのか、私は知らぬ間に眠りについてしまった


続く