あいみょんの「愛を伝えたいだとか」、好きな曲です。
この曲のコード進行を分析します。
キーはDメジャーです。
Capo2で弾いた場合のCメジャーのコード名で表記しています。
イントロは、いきなりIImから始まります。
イントロ
Dm A#m Am G
IIm VI#m VIm V
IImはサブドミナントですから、初っ端から不意を付いたような
始まりなのに、何かの続きのような印象を受けます。
また、VI#m -> VIm -> Vと下がっていくクリシェで
きっと、過去に何かがあってその続きを唄ってゆくのだなという
ドラマに対する期待を感じます。
Aメロは、Imaj7の次にクセの強いVII7が来ていて、このコードの独特の響きが
一貫して曲の雰囲気を作っています。
Aメロ
Cmaj7 B7 Em7 A7
Imaj7 VII7 IIIm7 VI7
Cmaj7 B7 Em7 G
Imaj7 VII7 IIIm7 V
最後がVで終わって、ドミナントの浮遊した状態でスムーズにサビに入っていく
王道の流れです。
サビはAメロをほぼ同じコード進行ですが、Aメロの雰囲気とは変わり
サビらしい明るさ、力強さを感じさせます。
サビだからといって、コード進行で変化を付けなくても、メロディで雰囲気を変えられるという
ことがよくわかります。
逆に似たコード進行にすることで曲に一貫性を持たせることに成功していると言えます。
サビ
Cmaj7 B7 Em7
Imaj7 VII7 IIIm7
Cmaj7 B7 Em7 G
Imaj7 VII7 IIIm7 V
Cmaj7 B7 Em7 G
Imaj7 VII7 IIIm7 V
Cmaj7 B7 Em7 G
Imaj7 VII7 IIIm7 V
Cmaj7 B7 Em7 G
Imaj7 VII7 IIIm7 V
Cmaj7 B7 Em7 G
Imaj7 VII7 IIIm7 V
Cメロは、Imaj7で始まっていたAメロおよびサビとは違って、Iで始まります。
Imaj7をIにすることでCメロらしい雰囲気を醸し出しています。
詩が主人公の内心を吐露する場面なので、詩と曲の雰囲気が合っていると感じます。
Cメロ
C B7 Em7 C B7
I VII7 IIIm7 I VII7
C B7 C B7
I VII7 I VII7
Cメロの終わり方が、I -> VII7 -> I -> VII7で
トニック -> ドミナント ->トニック -> ドミナントになっていて
解決しない浮遊感のまま、サビに流れ込んでいきます。
主人公のモヤモヤした解決しない気持ちと正にリンクしているようです。
そして、この浮遊感の直後にサビの頭でブレイクを使ったカッティング。
まとまらない考えを打ち消すかのように、飾りのない等身大の自分を述べてゆく
「バラの花もないよ 汚れてる シャツに履きなれたジーパンで」という歌詞が
グッと刺さります。
この曲で一番カッコいい箇所だと感じます。
以上、あいみょんの「愛を伝えたいだとか」を分析しました。
ダイアトニックコードでは、VII7はマイナーコードになると思うのですが
何故かメジャーで成立しています。
これが何故かはよく分からないので、もっと勉強してゆきたいと思います。
