正体は決して明かさない。
それが私の掟。
「自分、真面目な話、一か月ちょっと前まで、バッチバチの裏の人間だったんで」。
「一見しただけでそんなの判るわ?
随分粗相もしてきたみたいね?
な~に?25歳のこのあたしをそれで脅そうって言いたいわけ?」
「このクソガキ、なんなんだ・・・
ちっ、こっちの調子が狂っちまう」
「お生憎様!」
・・・・・・・だって、私、一体誰に囲われてると思ってるの?
「元」なんて人間に用は無い。
上にまで登り詰められなかった人間に興味も無い。
私は、自分のパパの事は決して口にしない。
それがパパの愛人になってから、自分の中で決めたルールだった。
だって不必要に心配かけたくないんだもの。
愛してるから。
パパはいつも穏やかで優しいから。
私が面倒くさい事に巻き込まれている時にだけ、ケータイが催促する。
そういう時だけ、私に命令口調になる。
「そんなのどうでも良いから、さっさと家に帰れ」ってね♪
パパは怒らないから。
特に自分の女には。
だから、余計にパパからの指示には逆らえない。
私はうま~いこと、パパに飼われてるの。
自由気ままなネコのフリをしてるだけの、
所詮は従順な飼い犬でしかない。
でもいいの。
私が世界で一番愛してて大切なのはパパだから、全く苦痛ではなかった♪
パパは私に苦痛を与えない。
毎月使いきれない程の札束を投げてよこすような人なのに・・・・・・
不思議な魅力を持った人。
それが私の「パパ」だった。