・”物流”という用語について

 

「物流」という用語はこれまで様々な定義がなされてきた。だが、ここ数年で実務者や学者によって体系的な定義づけが行われている。

 

物流という用語は元来、アメリカ由来の「Physical Distribustion」を直訳した「物的流通」の略である。

またこれに並行して存在する(概念的には物流は派生したものであり、こちらは本流であるが)「商流」もある。

商流は、商品の所有権の流れを指すものであり、商流が発生することによって物流も発生するとされている。

 

(以上二つの流れを統合した概念として「ロジスティクス」があり、その企業間連鎖を指す言葉が「サプライチェーン」というわけである。)

 

しかし、2024年問題が話題となっている今(もう2025年なわけだが)、この「物流」の使われ方が危うくなっていると感じる。

 

物流の活動としては主に、荷役、包装、輸送、流通加工、保管、情報の大きく6つに分けられている。そして、これらを含むあくまで「物体の流通における状態」を物流と指しているわけだが、近年物流の用語の普及とともに「物流=輸送」の使われ方が多く見られる。また、物流と人流を混同して使用されているケースも、新聞社などの記事においても散見された。

 

 

①物流=輸送

まずこれに関しては、前述したとおり物流の活動は輸送のみでなく保管や流通加工といったものにも適応される。そのため、上記ではあくまで「物体の状態」と明記したのである。

なお、輸送のみをさす場合は「物流(物的流通)」ではなく、「物流(物資流通)」を使用するべきであるだろう。

 

②物流と人流の混同

物流は前にも述べた通り「物体の流通における状態」を指すのだが、これと「人の流れ」を表す人流が混同されているケースがある。電車やバスといった旅客輸送におけるドライバーに関するの報道の際に、「物流」という文言やキーワードがあげられているが、こと物流界の2024年問題では物流ではなく人流に該当するので注意してほしい。

 

 

以上を読んで、様々な意見があると思うがもし異なるところがあれば指摘をお願いしたい。

ただ、物流業界全体にいえることだが、用語が異なるだけで違う意味を持ってしまうこと、新しい用語が頻繁に生み出されていることに危機感を持っている。

特に前者は、社会的問題と化している物流を当事者だけでなくそうでない人々の問題意識として昇華させていくためにも、必ずと言っていいほど統一しなければならないと考える。

 

言葉の意味は時代によって変わっていくが、問題解決のためには今こそバラバラな認識を一つにまとめるべきなのではと感じるところである。