口がすべって…

口がすべって…

3児のパパによる、好きな釣り・家族・空手・温泉・旅・アウトドア・レジャー・ミスチル・野球・サッカー等…
平凡な日常の中にある些細な非日常を綴っていこうと思います。
あくまで気まぐれですが…

時々放置しますが、そのうち必ず戻ってくるので気長にお付き合い願います。
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出会ったのは高校2年の時。
サッカー部のキャプテンだった彼。背が高くて運動神経抜群の好青年…それでいて話すとめちゃくちゃ面白い。正直自分とは住む世界の違う男と思ってた。
なぜか仲良くなったのは競馬の話題から…
それから今日に至るまで一番一緒に過ごした友人。俺にとってかけがえのない男であるのは間違い無い。

競馬から始まり、パチンコ、麻雀、酒、女、音楽、魚釣り…全て彼が一緒。彼の面白さも相まって楽しい記憶だらけ。

とにかく寝ない男。明け方まで呑み歩き寝ずに早朝釣りにやって来る。それでもテンション上げ上げ。泊まりで旅行に行った時なんか映画のレオン状態で寝ずに一夜をやり過ごす…よくよく思い出せば彼がまともに寝てる姿を俺は見た事無い。

また見かけによらずメチャクチャ優しい奴で。だらしない俺は色々やらかしたし迷惑も掛けたがキレる事無くそれを笑いに変える体格通りのデカイ心の持ち主。

意外なのは純愛派で愛には一途だった所。その面倒臭さが彼のタマにキズな所でもあったり…(笑)

ここ最近はなかなか会えない日々だった。
そして先日約2年ぶりに再会出来た。




変わり果てた姿だった…
信じられない姿だった…
眠らない彼が眠っていた…

最近連絡が取れないと思っていたら…

人知れず約1年間に渡る闘病生活を送っていた。
家族以外誰にも知らせず…

苦しい時、人は意図せず閉ざしたりもする。俺もそんな経験があるから凄く分かる。
でもやっぱり…
叶うものならその前にもう一度会いたかった。

突然過ぎて…
何が何だか分からない久々の再会。

連絡取れなくなる前、後先考えない行動が目に付いていた。
今思えば…悟っていたのか、生き急いでいたのかもしれない…



何日か経った今、何をしても彼との記憶が脳裏を過る。

メシを食っても…日常的によく一緒した。
子供の空手見てても…うちの子供達にホント優しく接してくれた。
嫁と話しても…嫁とも仲良くしてた。
両親と話しても…うちの両親とも気さくだった。
音楽を聞いても…
釣りに行っても…
車乗っても…
仕事してても…
タバコ吸っても…

何を言ってくるかセリフまで思い浮かぶ。

紛れもなく寂しい。

でもこうして俺の心の中で彼は永遠に生き続けてくれる。

ありがとう。
ありがとう…

去年の悔し涙から丁度丸1年。
予定通りこの日は来た。

この1年は公私共に色々あった。
今もその状況に変わりは無いのだが…
座りの悪い日々の中、唯一ベクトルが変わらなかったのが子供達の空手と言っていいのかな。

去年の悔し涙の直後、次女の結果を聞いた同じ道場の高校生男子の先輩が妻と次女にこう言い放った。
「今回行けんかったら来年からはもう絶対無理やわ。残念でした!」
この先輩高校生がうちの道場で史上唯一の小学生代表経験者で形選手、中学時に試合からは引退している…ここのお母さんは周りへの当たりがキツくて有名なのだが試合から引退して息子も似たような口ぶりになってきた。

うちの道場は組手の練習を殆どしない(だからと言って形も試合向けの練習は殆ど無い)。この道場で普通にやってる限り組手はよその道場の子と年々差が開くだろう。そうゆう意味なのかもしれないし真意は俺には分からない。聞く気にもなれずその一家とは完全に距離を置いた。
ただ、もちろん言われなくてもその危機感は持っていた。

いずれにしろこれが混乱の1年の序章だった。直接聞いた妻は焦り始め、どこかで教えてもらえるような良い練習環境は無いか等…そわそわ。

この環境下でも初出場であそこまで行けたんだから気にしなくていいよ。
色んな経験は絶対に必要…イベントはあれば積極的に参加させて頂こう。
ただ通う場があれもこれもじゃ小学生は混乱しちゃう。
県の強化練習に定期参加出来るんだからそこ主体で勉強するよ。

それでもそわそわする妻に俺は
「そんな言葉に呪縛されず形の心配しなよ」
と言い放っていた。

誰かにアウトソーシングして結果が↓だったら必ず後悔するし、その人のせいにしてしまうだろう。
組手をやりたいと言って空手を始めた次女。その次女の為に家族だけで始めた組手の練習。可能性がある限り自分達を信じてチャレンジすればいい。
それでダメだったらその時考えよう、まだ先がある訳だし。
その方が後悔しないし後悔したくない。
どこに行っても結果の責任は誰も取ってくれない。結局責任取るのは自分達。
これが俺の真意だった。
勿論あの言葉に対する意地が無かった訳でもないが…

県の強化練習は遠方だったが毎回朝から終了まで俺1人付き添い見学した。知り合いなんて誰も居ないし、まだ駆け出しの少女なのに、片時も目を離さず視線を送る父親…周囲の視線はかなり冷ややかに感じた(汗)
勿論次女も一人ぼっち…先生も来ない。

課題は毎回浮き彫りで帰りの車中はいつも焦燥感にかられた。
次回の練習日までに持ち帰った課題を潰す為の地道な自主練。
そして手応えの無いまま次回練習に挑み、またもっと大きな課題を貰って焦燥感と共に帰ってくる繰返し。
回を重ねる毎に当然周りも進化してる訳で。

単独参加で友達居なければ作るのも下手な次女は別の意味で非常に辛かったと思う
毎回行きたくないと本気でゴネられた。
次女の名前と顔を一早く覚えてくれて、いつも励まし褒めてくれた他道場の某先生の存在は大きかった。

何度も心折れそうになる俺と次女を支えてくれたのは、地道な自主練に嫌な顔せず付き合い続けてくれた長女。
ノー天気な末っ子も日々のスパイスになっていたかな。

手応えの無いまま課題だらけで進む日々。色んなイベントに参加しても冴えない動き。普段の練習の力を出せないこの姿が次女の今の実力。形の方は多少進化が見えているのに。

予選が近付くにつれて
「午前の形で決めて欲しいなぁ。組手ヤバいから。いい精神状態で午後の組手に挑みたいし」と
自分勝手な弱音を妻に吐く事もしばしば。
形で先に決めて欲しくて次女の形練にも結構口を出した。
気丈には振る舞っていたが内心は不安だらけで何一つ自信めいたものは無い。

そんなある日、封印してた去年の悔し涙時の映像を久しぶりに見てみた。そこには今取り組んできた事が何一つ出来ていないグダグダの次女の姿が。すごく成長したんだなぁ…あいつ頑張ってきたんだなぁ…
無くなりはしない不安を少しは忘れさせてくれた。

あと数日となると試合以外の分野で予期せぬ問題が我が家に立ちはだかった。いつも直前になると試合に集中させてもらえないこの空手環境何とかならないもんかな…

そして落ち着かないまま…
この日は来た。

胸の高まりなんて全く無く不安だらけ。挙げ句の果てに普段はしない神頼み…ひたすら胸のお守りにすがりながら会場入り。

会場入りすればまたあれやこれやと問題が発生…同郷他流派の某支部長先生の気遣いがありがたかった。

あーだこーだしてるうちにあっという間に形の試合が始まって…

末っ子まさかの3位入賞。
長女は念願の1勝。
二人共健闘した。

次女はベスト4まで危なげ無く
準決勝は去年も負けたディフェンディングチャンピオン。
雪辱戦だ。
あくまで俺の完全主観だが事前から手応えがあった。

開始…






優勢な感じ?





いいぞ!いいぞ!





判定





旗青5本!

完全勝利や!
よし!





あれ?
うちの子赤やった?
え????
旗を見間違える程の頭の混乱ぶり(汗)





結果は正真正銘完全敗北。





うちの子達が姉貴と慕う女子中学生の先輩(応援に来てくれた)と二人でガックリ。
色んな意味で自分の勉強不足を痛感…
切符への神様は甘くはない…
放心状態…
恐れていた崖っぷちでの組手…
不安…
不安…
不安…
今年もやっぱダメか…
マイナス思考で身体中占拠された…
胸に付けたこのお守りをぶち壊したい気分だった。

戻ってくる次女もショックの筈。
占拠されたマイナス思考が身体から溢れ出ていたがメチャクチャ頑張って平静を装い明るく一言。
「出来良かったぞ」
「結果はしゃあない」
「今は考えず次の組手に集中な。」
次女はドリンク飲みながら軽く頷いた。
平静を装ってるようにも見えた。



組手が始まるまでさほど時間はかからなかった。

序盤を危なげ無く勝ち、いよいよ勝負の準決勝。
予選の準決勝の壁の高さ・分厚さは痛感している。
相手はディフェンディングチャンピオン。
準決勝にこの子と当たる事を想定してずーっと練習してきた。
この子以外の子が上がってくる可能性も勿論あったが想定通り上がってきた。

開始直後…
次女は意外と落ち着いていた。
練習でやってきた事をしっかり意識していた。
試合直前は心臓が口から飛び出しそうな緊張に襲われた俺だがこの試合開始直後からは収まっていた。
途中いい突きがあったが旗は1本。ジリジリした展開で時間が迫ってくる。
俺はなぜか焦りを感じなかった。
よく分からないが自信めいたものを感じ始めていた。
そして終了間際…
上段蹴りと突きの連続攻撃が決まった。
取ってくれたポイントは突きの方だったが…ズコッ
そのまま残り僅かな時間を冷静にかわし…

タイムアップ。






念願の県代表に。






メンホー取った次女がスタンドの俺に手を振ってくれた。
今思えば普段ツンデレの次女にしては珍しい…
俺は分かるように大きく手を振り返した。


でも爆発的な喜びも感動も湧いていなかった。
実感が全く湧かない。
何だかボーとしてた。
ホッという安心感だけだったのかも。

その後の決勝はボンヤリしたままただ眺めているだけで…
次女の戦いぶりも何だか同じくで負けていた。
1位通過出来ないあたりが今の次女を物語っているが。
戻ってきた次女は笑顔も無く何となくボヤーとしてて。
疲れたのかな…ホッとしてるのかな…

「おめでとう」
て声掛けたら笑顔になって素に返った感じだった。
決勝の負け方に怒られるんじゃないかと気にしてただけかな…

次女の試合を近くで見届け嬉しそうに戻ってきた長女…
長女を俺は抱き締め、
「ありがとう」
この日が終わった。

ちなみに長女と末っ子はどちらも組手は初戦敗退。
長女は気持ちの問題、末っ子は相手が優勝者だった事を割り引いてやんないといけないけど…。二人共まだまだこれから楽しみなんだけど長女は来年組手出てくれるのかな…

代表入りが決まっても発表もない…
この事実を知らなければこの大会すら知らない人がほとんど…
喋り声とはしゃぎ声が響き渡る練習場…
一生懸命練習してるのが恥ずかしくなる雰囲気…
滅多に無い打ち込み練習では相手への遠慮を余儀無くされ…
頑張る事に喜びを与えられないこの環境…

それでも長女がお世話になり我が家と空手の出会いを作ってくれ…
空手の基本イロハを学べる。
この環境に対する敬意は忘れてはいけない。
試合への意欲は各個人で自主的に発揮すればいい訳で。


次女よ…
本戦…
ここまで出る為だけに頑張ってきた次女では結果は望めない。
ここで勝つ為にずーっと頑張ってきてる子が山程居る訳だから。
ただ空手に真摯に向き合っている人達で溢れかえる会場…この素晴らしい環境で空手を出来る喜びを、思う存分感じて欲しいと願ってやまない。
その為にも真摯に練習頑張って続けてな。


最後に

妻よ…
いつもお疲れ様。

そしてお世話になっている方々に…感謝。

新たな1年が始まっています。
あれから約3ヶ月。

なぜか週末は予期すらしなかった空手行事で次から次へと埋まっていく。
どれも遠方でなかなかハードだ。車買い換えてホント良かったなぁ。

去年の今頃といえば…
秋の大会まで空手イベントゼロで過ごした我が家だったが劇的な変化だ。

長女はセミナーやら講習会や合宿に支部長先生から出席するよう声が掛かるようになった。
色帯の立場で道場からたった一人での参加は親としてはちょっと不安。が本人は至って前向きだ。

試合の結果と帯の色は他道場からの参加者に見劣っても、持ち前の空手愛と練習態度で何事にもチャレンジしようとする姿は頼もしくなってきた。

始めたのも遅かったし身体能力の無さは折り紙つきの長女(汗)。時間を掛けて地道に練習し、そつなくこなせるようになっても、正直試合に勝つにはあまりに壁は高く分厚く…
あの敗退を経て、試合とは違う目標を見出だしたりもしていた…
そんな矢先、ここに来てイベントを重ねる毎に形が日に日に進化している。

まだ上に行けるぞ。
そう信じてるよ。


次女は次女で、定期的に行われる県の強化練習への参加が認められた。

これもうちの道場からは次女一人での参加。他の強豪道場からは多数参加しており超アウェーな環境。休憩中なんかは見てると悲しいもんがあるがこれも経験勉強。練習中はそんなん関係無いし。

数は少ないけどサポーターはここに居る。
俺にもお前の背中押させてくれ。

持ち前の秘めた闘志でぶつかっていこう。

次女に関しては形が全く伸びてないのがちょっと気がかり…練習にもどうも気が入っていない。

月末には去年出られなかった大会に姉妹での参加も決まったし気持ちを入れないと。


末っ子は…
………………
何してたっけ?

そういやザリガニを捕まえたりしてたなぁ…
爺ちゃんと…

俺がサジを投げ気味なので男の子に甘い妻が先の見えない地道な作業をしている(苦笑)。


こんな空手イベント三昧の中、他の道場の保護者の方と接する事もしばしば。

普段の日常では奇特な親になりつつあるが、こういう場に来る親は大概皆同類(笑)。
静かに情熱を燃やす大人達に良い刺激を頂いている。

先日、先輩お父さんとのお話で印象的な事があった。

一人は花のある組手で見てるこちらをいつも魅了し、形でも上位常連の娘さんを持つお父さん。娘さんの事をそのお父さんは落ち着いた口調でこう語っていた。
「練習に対してホント前向きで努力する子です。」
「必死で周りの誰より練習しても全く勝てない本人にとって苦しい辛い小学校時代を経て、ようやく最近勝てるようになったばかりなんですよ。」

もう一人は全国でも優勝多数、県で負け知らずの形を打つ娘さんを持つお父さん。
「うちの娘は空手センスは無いけど家ではホント練習の虫。それだけです。」

結果が出ている前提は勿論あるが、二人共真っ先に口にしたのは愛娘のひたむきな努力を称える言葉だった。

一方この俺、他のお父さんお母さんと話をする際、娘達の事をけなしまくっている。

「言ってもやらない」
「気持ちが入らない」
「ああゆうタイプは苦労するわ」

勿論うちの子はまだまだ幼い。結果も出てなければ努力の精神も足りない。
これは紛れもない事実で称える事は不可能だ。

でももし仮に努力を重ね成長しあのような結果が出たとして…
初対面の他道場保護者を前にして、娘の地道な頑張りを明かし、そして称えてあげる事がこの俺に出来るだろうか。

娘とそんな信頼関係が築けるだろうか。

俺的にはひとまず娘が努力してくんなきゃ無理なんだけど…(苦笑)

娘達に言わせれば未熟な父親の娘でいるのも大変なのだろう(汗)

こんな事ウニョウニョ言ってる俺には多分無理なんだろうな…(涙)

先日行われた流派の練習会。
誰より汗を滴らせひたむきに練習に打ち込むその二人の娘さんの姿があった。
彼女達も遠くないうちに何らかの卒業・旅立ちを迎えるのだろう。
そんな事は微塵も感じさせない練習ぶりだ。

そしてそんな娘の練習を見守る二人のお父さんの姿。

いつか身近では見れなくなるであろうその光景に俺は見とれていた。

空手の下品な一面がちらほらと目に付いていた今日この頃だったが…

美しかった。