いま日本には、
家族以外との交流を断ち、
ひきこもる人が100万人いる。
こうした人たちの心の扉を
20年にわたってノックし続けてきた
支援のエキスパートがいる。
彼と出会うことでひきこもりを脱した人が後を絶たない…
1月14日(火) 午後10時30分【NHK】
引きこもり支援・石川清
【出演】 引きこもり支援・石川清
【語り】 橋本さとし、貫地谷しほり
実は私…
“失恋” が原因で、半年ぐらい引きこもったことがあります
“引きこもり” というと「怠けてる」みたいに感じるかもしれませんが、
「これ以上頑張ったら倒れてしまうから、休んだほうがいい」
というケースもあると思うんです。
自分の“弱さ” に気づいて
「無理をしないで、もっと自分に合った居場所を見つけよう」
と考えたりする良い機会かもしれないし…
私の場合は…
初めてフラれた時、
夜も眠れない、ご飯も食べられない、仕事も手につかない…
という状態になり、会社を辞めました
始めの1~2カ月ぐらいは、
ウォン・カーウァイ監督の映画
『欲望の翼』や『楽園の瑕(きず)』を観たり、
フランソワーズ・サガンや森瑤子さんの小説を読んだり、
古内東子さんの曲を聴いたりして
「わかる~」って泣いてばかりいました…
でも、まだ若かったので、だんだん退屈になってきて
失業保険も3カ月分しか貰えないのでお金もなくなり、
半年後に再就職しました。
新しい職場の上司に言われたことは…
会社で仕事をする上で大事なことは、
『ひとりで抱え込まないこと』
『無理して頑張り過ぎないこと』
『困ったこと、不安なことがあったら、上司に相談すること』
そして飲み会の席では…
上司 「彼氏は、いるのか?」
私 「いません」
(半年前にフラれて会社を辞めて引きこもっていたことは内緒…)
上司 「どんな男がタイプなんだ? ◇◇課の○○なんかどうだ?」
私 「○○さんって… 高望みしすぎですよ」
上司 「そんなことないだろう。俺は、自分が関わった人は、みんな幸せになってほしいんだよ。」
新しい職場には、「カッコイイかも?」と思うような人もいましたが…
でも「自分がなぜフラれたのか?」ちゃんと考えないと
相手が変わっても、また同じことの繰り返しだと思いました。
新しい環境で
優しい上司に守られながら
思い出すのは元カレのことでした。
当時、仕事が忙しくて
徹夜になったり、泊まりで出張に行ったりしていた私は、
「頑張ってね」ではなくて
「頑張りすぎないでね」と、いつも彼に言われていました。
私は、自分の“弱さ”に気づいていませんでした。
彼が守ってくれていることに、気づきませんでした。
そして彼を失った時、
夜も眠れない、ご飯も食べられない、仕事も手につかない…
という状態になり、会社を辞めて引きこもりました。
半年ひきこもった後、
人のせいにしないで、自分の“弱さ” を認めるようにしたら
気づいたことがあります…
「“依存” と “頼る” は、似てるけど違う」ということ。
“依存”は、
自分の“弱さ” を認めないで人のせいにして
「助けてもらって当たり前」と思っているから
感謝の気持ちがない。
“頼る”は、
自分の“弱さ” を認めて、「助けてもらっている」という自覚があるから
『お願いします』
『忙しいのに、ごめんなさい』
『ありがとう』
『あなたのおかげで助かった』
感謝の気持ちがある。
私は、新しい会社の上司から“頼る”ということを学んで、
「私は元カレに“頼る”のではなく“依存”していたのではないか?」
と思いました。
私のことを心配してくれていたのに気づかなかった。
彼に対して感謝の気持ちがなかった。
フラれて当然…
失恋した後、1年以上経ったある日の休日…
スーパーで買い物をした後、駐車場に向かって歩いていた時
私の車の隣に、元カレの車に似た車が停まっているのを見つけ
「どんな人が乗っているのかしら?」と思って運転席を見たら…
元カレでした
助手席は、空いていました…
彼も私に気づいて、
彼の車の助手席に座るように、手招きしました。
私は自分の近況を報告しました。
私 「徹夜とか泊まりの出張とかが無い仕事に、転職したの。」
彼 「良かった。でも、頑張りすぎないでね。」
私は、感謝の気持ちを込めて
「うん。わかった。ありがとう。元気でね。」と言って笑って手を振り、
自分の車に乗って家に向かいました。
でも、車を運転しながら涙が出てきました…
その時、彼が着ていたセーターは
何年か前のクリスマスに私がプレゼントしたものだったから…
本当は、自分で編むつもりで毛糸も買っていたのに
仕事が忙しくてクリスマスに間に合わなくなり、
似たようなセーターを買ってプレゼントしました。
私がプレゼントしたセーターより
もっと高価でおしゃれなセーターを何枚も持ってるのに
あのセーター、まだ着てたんだ…
彼のセーター、編みたかったな…
その頃のことを思い出して、涙が出ました
でも、彼に会えて
ちゃんと「ありがとう」も言えたから
これからはもう、泣くのはやめようと思いました
教えてよどうしたなら
もう一度笑える日が来るの
いちばん大事なものを
この手で壊してしまったよ
教えてよどうしたなら
もう一度笑って出会えるの
~「おしえてよ」
作詞・作曲: 古内東子 ~