着信と言うからには、そりゃ電話がかかってきた。


現代じゃ、着信と言っても何パターンか想像出来る。メールだったり、某アプリだったり、電話だったり。


もうちょい言葉の意味がわかりやすい世界だったらいいのに。


電話の相手は…知らない人だ。さっきメール送ってきた人か?


…とにかく、触らぬ神に祟りなし。僕は無視しようとした。


しようとした。だからね…。結局失敗しました…。


何故かって?そりゃしつこすぎるからだよ!


5分やそこら経ってもまったく鳴り止む気配はない!

(今思えばブロックなりなんなりできた気が…


半ばキレ気味に電話に出た僕。


「何?!」


「おう!久しぶり!」


「はぁ?」


…全く意味がわからない。久しぶりと返事をした声は男性のそれだった。


爺さんやガキじゃない。その中間のちょうど僕と同じ年代の人を思わせる声だった。


意味がわからない理由は声の主の性別ではなく、キレ気味に答えたのに、相手が久しぶりだの言いやがったからだ。怯みもせずに。

僕の左手が震えた。いや、原因は病気とか武者震いじゃなくて、手の中にある携帯ね。

 

携帯の画面には、

 

「調子どう?」

 

と、文字が並べてあった。送り主は…誰だ?このまま無視しておこう。

 

ここは、自室。僕は勉強の最中だ。

 

なぜ携帯を持っていたって?それはサボ…休憩していたからだ。

 

あの日から、十数日が経ち、この生活に順応できた。

 

…あのモンスターペアレンツどもめ。この僕をこんな辺境の地まで追いやりやがって。

 

辺境の地、つまり、僕の祖父母と呼ばれる人たちの家。僕の母の実家とのことだ。

 

ここでは、あらゆるものに制限がある。ネットに、食べ物に、服に、自由に、希望に、エトセトラ。

 

不自由ないものといえば、運動に勉強。

 

現代社会の波に飲み込まれた心身ともに不健康な少年にとって、健康優良児になれる最適の場ともいえるが、それは客観的な話。

 

主観的に言えば、ほぼ自由のないこの場は地獄といっても大差ない。

 

僕は、だらけた日々の積み重ねにより、両親に強制送還されたのである。

 

…強制送還というよろしくない響きを使ったが、祖父母の僕に対する扱いは両親のそれとはまったく違う、心地いいものであった。

 

勉強の邪魔をしないようにと配慮してくれたり、たまには息抜きを、と、買い物のついでに少しばかりゲームセンターへと連れていってくれる。

 

そんな、可も不可もないような、どちらかといえば可、のほうだが。その生活の中でのいきなりの着信。

 

今まで聞いたことのなかった、僕を呼ぶそのコール音は、なぜか懐かしいと感じさせつつも、腹の底から不快な何かをこみ上げさせた。

僕はいつの間にかそこに横たわっていた。

 

外気とは隔たれた立方体の空間、その内側に存在する綿の集合体。その上に僕は存在していた。

 

高く昇った太陽の陽に照らされ、視界が真っ白に。そして眼球の奥が痛む。

 

その原因の忌まわしき陽を避けるように体を起こす。

 

はじめまして。青柳 慶。

この度、アメブロを初めてみました。

 

この場では、自身の経験、想像を基にした小説、エッセイ、etcを発信していこうと考えております。

 

学生の身分ですので、常にこの通りとは言えませんが、基本的に一日一投稿、これを遵守していこうと考えております。

 

まだまだ、慣れていないところもありますので、きれいな、かつ見やすいものとは言えないと思いますが、

 

その点は、温かい目で見守っていただければと思います。

 

どうぞ、よろしくお願いします。