バフェット(2)
引き続き『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 』から、バフェットの投資手法を学んでいきます。
実際の投資判断は、計算上の期待収益が投資者の目標収益を上まわるかどうかによる。
この本では、将来の株価を予想する方法が2種類取り上げられている。予想株価がわかれば期待収益率が求められる。
4. 予想株価と期待収益率の算出方法
4.1. 予想株価算出(A)(株主資本の成長予想→予想利益→予想株価)
■定義1■
(a) m年後の予想内部留保率 =ER(m)
(b) m年後の予想ROE =ROE(m)
(c) m年後予想PER =PER(m)
(d) 基準年nのBPS =BPS(n)
(e) m年後の予想株価 =SP(m)
※ (a)、(b)、(c)は過去のトレンドから(平均等で)任意に推定し、m年後まで一定とする。
(←問題点については後ほど・・・)
① 恒等式: SP = PER × EPS 〈1〉
② 恒等式: EPS = BPS × ROE 〈2〉
③ 関係式: BPS(n+1) = BPS(n)+EPS(n)× ER(n) 〈3〉
(← 来期株主資本は、今期利益のうち内部留保分だけ積みあがる。)
〈2〉を〈3〉に代入。
BPS(n+1)= BPS(n)+BPS(n)×ROE(n)×ER(n)
= BPS(n){1+ROE(n)×ER(n)} 〈4〉
④ 前提条件および〈4〉より、m年後の予想BPSは、
BPS(m) = BPS(n)×{1+ROE(m)×ER(m)}^m 〈5〉
⑤ 〈2〉より、m年後の予想EPSは、
EPS(m) = BPS(m)×ROE(m) 〈6〉
⑥ 〈1〉より、m年後の予想株価は、
SP(m) = PER(m)× EPS(m) 〈7〉
または、
SP(m)=PER(m)×ROE(m)×BPS(n)×{1+ROE(m)×ER(m)}^m 〈7'〉
同書では上記の導出過程多くが文章で説明されていますが、ここでは数式に整理してみました。
式〈7'〉は、後にエクセルで利用するために定数をすべて入れ込んでみました。
4.2. 予想株価の算出(B) (予想利益成長率→予想株価)
■定義2■
(a) 基準年nのEPS =EPS(n)
(b) 過去p年間の平均EPS成長率 =EPSavgr(n-p)
(c) m年までの各年毎の予想EPS成長率 =EPSgr
※(b)で求めた過去の平均成長率が、m年後までの各年、維持されるものとする。
したがって、
(d) EPSavgr(n-p)=EPSgr
※その他は、■定義1■に準じる。
① p年前のEPS = EPS(-p) を調べる。
過去p年間の平均EPS成長率は、
EPSavgr(n-p) ={EPS(n)/EPS(-p)}^{1/p} -1 〈1〉
定義2-(d)より、
EPSgr ={EPS(n)/EPS(-p)}^{1/p} -1 〈2〉
② 〈2〉より、m年後の予想EPSは、
EPS(m) =EPS(n)× {1+EPSgr}^m 〈3〉
③ 〈3〉より、m年後の予想株価は、
SP(m) = PER(m)× EPS(m) 〈4〉
または、
SP(m) = PER(m)×EPS(n)×{EPS(n)/EPS(-p)}^{m/p}
= PER(m)×EPS(n)×EPS(n)^{m/p}×EPS(n-p)^{-m/p}
= PER(m)×EPS(n)^{1+{m/p}}×EPS(-p)^{-m/p} 〈4'〉
上記2つの導出方法には、多くの任意の定数や恣意的な定義が含まれている。
具体的には、
(A)→PER(m)、ROE(m)、ER(m)
(B)→PER(m)、また、定義として、EPSavgr(n-p)=EPSgr
感覚的には(B)の方が恣意性が低く、より精度が高いように思える。
しかし、上記の方法をそのまま実践するのはあまりにもナイーブな気がする。
当然、バフェットは上記の恣意的(つまり、「アート」な)部分に関して独自の調査や方法論で修正し、予想の精度を高めているはずだ。そのプロセスこそ本当の意味での彼の投資術といえるのだろう。(それは、この本では触れられていない。)
さて、求められた予想株価から期待収益率を算出する以下の過程は(A)(B)に共通する。
4.3. 期待収益率の算出
■定義2■
(a) t = 税率
(b) m年後の予想発行済み株数 = ST(m)
(c) m年後の予想キャピタルゲイン = CG(m)
(d) m年後の予想配当累計受取額 = DV(m)
(e) 1株購入コスト = CT
(f) m年後の期待収益率 = ERR(m)
① m年後の予想税引きキャピタルゲインは、
CG(m) = ST(m)×{SP(m)-CT}×{1-t} 〈1〉
② m年後の予想配当累計は、
DV(m) = ST(m)×∑{SP×{1-ER(m)-t}} 〈2〉
③ m年後の期待収益率は、
ERR(m) = {{CG(m)+DV(m)}/CT}^m -1 〈3〉
バフェット(1)
Amazon で検索してみると、 ウォーレン・バフェット 関連の本は本当にたくさん出版されており、バリュー投資関連のHPでも必ず名前が挙がっています。以下、私にも理解可能な入門書-『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 』 -を紐解きつつ、自分なりの理解・疑問をまとめていこうと思います。
1. 基本戦略
① 長期的な成長エンジン・環境を持つ企業へ投資
② 市場の過剰反応によって一時的に割安になったタイミングで投資
2. 投資すべき企業(=消費者独占型企業 )の特徴
① 商品・サービスに消費者独占力ある
② EPSが増加基調
③ ≪少≫負債 →負債に比して豊富な余剰キャッシュ
④ ≪高≫ROE
⑤ ≪少≫維持経費(←≪少≫有形固定資産)→≪高≫内部留保
⑥ 内部留保活用の自由度が高い (→新規事業・自社株買戻し)
⑦ 価格支配力 (→非価格競争・インフレ分の価格転嫁)
⑧ 効率的な投資による株価上昇 (←堅実な経営手腕と的確なIR)
◆関連すると思われる指標◆
① 売上高総利益率
② EPS成長率
③ 有利子負債営業CF比率
④ ROE、自己資本比率
※ROEの問題点については後日・・・
⑤ バフェットの利益率、ROIC
⑥ ??
⑦ 売上高総利益率
⑧ BPS成長率?
3. 消費者独占型企業の類型 (分類名は私の勝手な命名です)
① ブランド消費財型
e.g. コカ・コーラ、マイルドセブン
② トールゲート媒体型
e.g. テレビ、新聞、広告代理店
③ 長期固定サービス型←≪低≫設備投資、≪低≫新規開発、固定顧客
e.g. セコム、ビザカード
④ ニッチ独占小売型
e.g. 地区で唯一の大型家具店、宝飾店等
上述の消費者独占型企業の対極に位置する企業タイプは、コモディティ型企業
として提示されている。コモディティ型企業は、上述2.の消費者独占型企業とちょうど正反対の特徴を持っている。
上記はバフェットの投資姿勢のほんのわずかな部分ではあるが、背後に隠れたいくつか示唆を読み取れると思う。
① 一定期間、市場におけるテストを経た企業を主要投資先とする。(→非新興企業)
② 投資期間が長期→長期間陳腐化することのない商品・サービスを持つ企業を選考。
(→技術革新が著しい業界は商品・サービスが短期間に陳腐化する危険がある。)
④ 冒険的拡張政策を採っていない企業を選考。
③ 投資判断は、消費者独占力・内部留保の有効活用・経営手腕といった定性的分析に負うところも大きい。
はじめまして!
これがブログデビューの私。Yと申します。
去年あたりから株取引に興味を持ち始め、いくつかのHPを暇つぶしに見るようになりました。それから大手ネット証券に口座を開設、現在約200万円 で細々と運用を始めています。でも、売買実績はまだ数えるほど。ライブドア事件で実害はなかったものの、肝を冷やしました。あらためて「基礎」習得を思い 立った次第です。株経験者の皆様にとっては言わずもがなの「常識」の事柄でも取り上げていくつもりです。
以下はこのブログで今後扱っていくつもりの主な事項です。
① バリュー投資法を中心とした方法論
② 経営分析の手法
③ マクロ的な市場変動要因
④ 証券取引上の用語
以下は、このブログでは当面扱わないか優先順位の低い事項です。
① デイトレーディング手法
② テクニカル分析の方法論
③ 信用取引手法
このブログは、基本的にど素人Y(数学アレルギーでもある!)の「勉強ノート」です。当たり前のことですが出典はできるかぎり明記します。興味を持たれた場合、真偽は原典で御確認ください。
誤記やその他の誤り,リンクに関する問題等にお気づきの際は、遠慮なくご指摘いただければ幸いです。
