こんにちは。
らんです。
図書館で借りてきた本を
最後まで読みました。
大好きなお話なので
読み終わってしまって
さみしいです
『新章 神様のカルテ』
今回もまた泣けました。
泣いたし
考えさせられました。
もし
命に関わる病気にかかったらと
ふと考えることがあります。
私はヘタレだから
痛いことや苦しいことからは
できるだけ逃げたい。
小さい頃から
手術や入院をして
痛いこと苦しいことを
何度も経験して
もういい加減慣れればいいのに
経験すればするほど
もう2度と味わいたくない
そう思う。
1分過ぎるのが
気が遠くなるほど遅く感じる。
苦しい。
痛い。
誰か助けて。
そんな夜を
もう2度と過ごしたくない。
それでもあのときは
これから楽になっていくからと
希望をもてたから
乗り越えられた。
でも
楽になれる希望が
もてる状態でなかったら
私には耐えられない。
だから
もし命に関わる病気になったら
延命治療はせずに
痛みを緩和する治療だけを
迷わず選ぶ。
ずっとそう思ってきたし
家族にもそう話してきた。
だけど…
この本には
だんな様と7歳の女の子と暮らす
29歳の癌患者が
登場します。
入退院を繰り返しながら
病状は徐々に深刻化していく。
自宅で過ごしているとき
早急な処置が必要な状態となった。
それでも
家で最期を迎えたいと
病院での治療を拒む女性に
主人公である栗原先生が
「三か月の命なら意味がないと思いますか。一か月しか生きられないなら死んだほうがマシですか。そんなことはないはずだ」
「生きることは権利ではない。義務です」
と懸命に言葉を紡ぐ。
その言葉に
深く考えさせられました。
病と闘うとき
本人にしかわからない
苦しみがある。
本当はもっと生きたい。
大切な人たちと一緒にいたい。
でも生きられない。
死がすぐそこまで来ているなら
早くこの苦しみから逃れたい。
私ならきっとそう思う。
でも
私の大切な人たちは
どうしたいだろう?
そこまで考えてなかった。
私のことを
大切に思ってくれる人たちは
私と過ごす
残りの三か月、一か月を
失いたくない大切な時間だと
思っているのではないか。
1人で生きてきたわけではない。
周りの人たちと一緒に
時間を共有して
ここまで生きてきた。
『生きることは、
権利ではなくて義務』
いざそのときがきたら
「私にはやっぱり無理です」
と投げ出すかもしれない。
でも
そのときがくる前から
あきらめる前提でいるのは
なんか違う。
まして
「私は延命治療は望まない」
なんて家族に宣言するなんて。
言われた方の気持ちー!
私のあんぽんたん
自分の死のあり方を
今一度考え直してみる
いい機会になりました。
そして
今回のお話で
栗原夫妻は
小春ちゃんという
2歳の子どもを授かっていて
家族のあり方についても
考えさせられる回でした。
確かなことは、ひとりで歩むには過酷な道も、誰かとともに手を取り合えば進むことができるということだろう。
その先にあるものが、希望か絶望かは定かでない。愉快か苦悩かもわからない。わからないから投げ出すというのは短慮というもので、わからぬままそれでも力を尽くして前へ進むということが生きるということである。
だとすれば、手を取り合う人に出会えただけで、人生はまことに豊かになると言えるのではないだろうか。
この言葉に
全てが込められてると思います。
私たち夫婦は
次の結婚記念日で
20年を迎えます。
山あり 谷あり
いっときは
別居を言い渡され
私は実家に帰ったこともあります。
子ども達は
なかなかに個性が強く
どちらも
学校から呼び出されたことが
あります。
特に長男は
中学3年間
ほとんど不登校で
あの時期は
私も病みかけていて
本当に苦しかった。
最初は
だんなも混乱していて
「あなたが甘やかすからだ」
って私に言った。
でもそこからは
長男のために
カウンセリング先を探してきて
片道1時間半の道のりを
毎回かかさず運転して
一緒に話を聞いてくれた。
学校の先生との
あまり進展のない話し合いにも
仕事早く切り上げて
毎回出席してくれた。
学校の事情ばかりで
生徒である長男の気持ちを
置き去りにしていく。
そんな対応が続いて
机ひっくり返したいほどの
私の苛立ちを
共有してくれた。
私1人では
きっと乗り越えられなかった。
だんなが手を取り
一緒に歩いてくれたから
長男を支えてこれたんだってことに
今さらながら
ありがたく感じました。
この人でよかった。
最近は
そう思うことがたくさんあって。
実家に帰ったあのとき
感情に任せて
離婚しなくてよかった。
愉快か苦悩かわからなくても
わからないまま
力を尽くして前に進んできた。
だから今
お互いがお互いを必要としあえる
そんな関係になれたんだなぁ
だんなが
私の人生を
豊かにしてくれたんだなぁと
結婚20周年を前に
幸せに浸ってます🍀
ほとんど
私の話になってしまいましたが
このお話の作者は
現役のお医者様で
医療のあり方についても
問題提起しています。
私の拙い語彙では伝わらないけど
一方的な問題提起じゃなく
いろんな立場からの問題が見えて
とても興味深いです。
そしてなによりも
登場人物がみなさん素敵で。
読後の清涼感に
心がさらさらと洗われました。
おすすめの一冊です
ブログをたずねてくださった皆様
ありがとうございます。
それではまた