秋のイベントに参加した時に、お客さまの一人に
『太刀山かぁ!朝乃山が優勝したから、売れて売れて仕方無いんじゃない?』
と言われた。
家中のお金をかき集めて、月々の父と母の年金を全部ぶっ込んでも、去年の酒米のお金が支払えない。
支払いに追われ、母の精神がすり減ってゆく。
お酒を売り切っても減らない毎年の借り入れ金額。
去年の米代を払い終わったらまた今年も同額借り入れて…の無限ループ


儲けろ、とまでは言わないけれど、最低限、蔵元の生活が成り立たないのであれば、お話にならないのではないかと。
今のままでは、先が見えない這い上がれない底なし沼。
これじゃあお酒を造っていても、苦しいだけでしょ。辛いだけでしょ。
太刀山を応援してくださるお客さんの声を聞いて奮起しても、それで踏ん張る気力を保ち続けるには限界があるでしょうよ。
『値上げをしたらお客さんが離れてゆく』と
言うのが蔵元の見解。
でもね、ここ数年、仕入れるお米の値段も、いろいろな材料費も高騰しているのにも関わらず、
お酒の品質を落としたくないから、酒米の歩合は落とせない、落としたくない。
使用する酒米の種類もこだわる。
2人でチマチマと造っているから手間隙がかかる。
瓶詰めも、ラベル貼りも、出荷作業は全部手作業。
今の太刀山は、造り手のこだわりと仕事に見合った価格じゃないのでは、と思うのです。
たまに、『いっぱい造っていっぱい売ればいいじゃない』と言われますが、
寒さ厳しい中での日本酒造りの行程は、70代後半のじーさんと40代後半のおっさん2人でやるにはなかなか厳しい作業で。
2人で造れる量には限界があるのです。
日本酒は高くなった、地酒は高いと言われます。
そりゃお客さんは安い方がいいよね。買いやすいし。
手頃な値段で提供するのは大事だよ。
でもね、それを貫き通して、吉江酒造が倒産したら、悲しむお客さんがいっぱいいるよ?
そっちの方が困ると思うのです。
大手企業さんなら値下げという形の企業努力ができるけど、うちのような小さな蔵は、それが難しい。
いや、むしろやっちゃダメ。
今、うちの蔵に必要なのは、
吉江酒造という酒蔵を、太刀山という銘柄を存続させてゆくための企業努力なんだと思うのです。
そのためにも、太刀山を応援してくださってるお客さまに、価格という面で、少し協力していただきましょうよ、と。
来年もまた酒造りができるようにね。
…実は、10月からの増税に伴い、お酒の価格を少し上げさせていただきました。
一律、一升瓶が200円、四合瓶が100円の値上げです。
太刀山を応援してくださってる皆様、今後とも、何卒よろしくお願い致しますm(_ _)m
…蔵を潰さないために( ;∀;)カナリ深刻デス。

