小松範之です。
小池百合子都知事が2020年3月25日の緊急記者会見で、「ノー3密」を要請しました。3密とは、新型コロナウイルスの感染が発生しやすいとされる3つの条件のことです。
3つの条件とは、換気の悪い密閉空間、多くの人の密集する場所、近距離での密接な会話です。小池百合子都知事は、オーバーシュート(爆発的感染)を防ぐため、3密を避け、極力、自宅で仕事をするようにと述べました。
その一方、4月から、小学校から大学まで、全国一斉に学校は活動を再開します。そのため、学校が3密に当たるのではないか、という議論があります。学校には、一つの教室に30~40人の生徒児童が集まるわけですから、オーバーシュートが発生する可能性は否定できません。
一方、同じ学校でも、3密のリスクが極限まで減らせる学校があります。それが通信制高校です。通信制高校は、生徒が一斉に集まる機会がほとんどありません。なぜなら、単位制だからです。高校に3年間以上所属し、74単位を取得すれば、高卒の資格が得られるのです。
毎日出席する必要がない、というのが全日制高校との大きな差です。そのため、これまでも、不登校がちな生徒でも利用しやすいカリキュラムとして、通信制高校が選ばれてきました。
実際、私は、フリースクールと通信制高校を運営していますが、不登校経験のある生徒が多く相談に来ます。しかし、通信制高校は、不登校生徒だけに開かれているわけではありません。自分に合った学び方の一つとして、通信制高校があるのです。
そこで今回は、感染防止という観点から、通信制高校の3つのメリットをご紹介します。
3つのメリットとは、ズバリ、3密を減らせるということです。
1.密閉空間について
通信制高校とはいえ、教室での活動はあります。それは、スクーリングです。教室は意図的に換気しないと、密閉空間となります。しかし、これは全国の学校同様、定期的に換気をすることで密閉状態を解消できます。
ちなみに、スクーリングとは面接指導です。教員がいる教室で、生徒が自主学習を行います。国語や数学など、分からない問題を個別に質問し、解いていくことができます。卒業までに必要な単位を修得する条件の一つが、スクーリングをこなすことなのです。
2.密集場所について
生徒たちは、週1回程度、スクーリング会場に行きます。それが教室での活動になります。教室とはいっても、生徒が満員になることはありません。したがって、密集状態を避けることができます。
例えば、うちの通信制高校では、30人収容できる教室に対して、1日当たりの利用生徒数は5人程度です。その理由は、生徒が自分の都合に合わせたスクーリング日程を組んでいるためです。各自がバラバラに教室を利用するため、満員になることがないのです。
3.密接場面について
通信制高校では、人と人が1m未満の接近をする場面が、99%ありません。あるとすれば、生徒が教員から面接指導を受ける場合や、友達同士で雑談する場合などです。
しかし、その場合でも、意図的に1m以上席を離して座ることは可能です。なぜなら、教室内に空いている席はたくさんあるからです。
以上、感染予防上における通信制高校の3つのメリットをご紹介しました。
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