近所の神社で行われる秋祭り。


今年は珍しく、うちの町会でも屋台を出すらしい。
見慣れたおじさん達が鉄板にのせた生地をひっくり返し、ソースやマヨネーズをかけ、容器に詰めてゆく。ソースの焦げた匂いが、店先に行列を作る。
そう、うちの町会ではお好み焼きを売ることになったのだ。売り上げは上々である。

おじさん達に教えてもらいながら、自分でも作らせてもらったが……
自分で作ったものの方が、若干美味しそうに感じられた。いや、周りのおじさんがいい加減だったので、そう思いたかっただけかもしれないが。


相手の目を見て、接客接客っビックリマーク
そんなことを思いながら、ふと顔をあげ、容器に入ったお好み焼きを差し出そうとすると、目の前には妹連れの同い年ぐらいの女の子。
姉妹で浴衣かぁ~音符癒されるわぁ……ニコニコ
そんなことを考えながら値段を提示すると、目の前にいる女の子がなぜか私の名前を呼んできた……ような気がした。

「祐樹くん……?」

確かに私の名前だ。
そしてもっとよく彼女の顔を見てみた。
化粧はしているが、見覚えはあるような……。

そう、目の前にいたのは中学の頃に付き合っていたあの子だったんだ。