今回はダイコー レイヴン98Mを手に入れたので使用感などをまとめていこうと思います。

 

まずレイヴンという竿について。

レイヴンは今は無きダイコーが生産していたハイエンドシーバスロッド。デスペラードやアルテサーノといったダイコー特有の高弾性ブランクスとは異なるテイストのブランクスを用いたレガーロ。そのレガーロの軽快な使用感と芯の通ったしなやかさを踏襲したロッドがレイヴンである。前作フェルザスレガーロのパワーはそのままに、より感度を高めたロッドに仕上がっている。またロッドアクションもレギュラーテーパーからファストテーパーへ変更されており、より軽快さと感度に振ったモデルに生まれ変わっていることが見てとれる。

 

ここからは実際に使ってみた感想。

 

今回使用したタックルセッティングはこちら。

ロッド:レイヴン 98M

リール:17ツインパワーXD 4000XG

ライン:ルーツ8 1.5号

リーダー:ナイロン30lb

 

使ってみてからわかったことだが、ラインは1号ないし1.2号まで落としたほうが使用感が良くなるように思えた。

 

まずはこの竿で一番使うであろうバイブから試していく。

使うルアーはサルベージソリッド70ES

キャストも気持ちよく決まり、ルアーウェイト的には使いやすい範囲のサイズ感。リトリーブ中は程よくティップが入り、魚のバイトは弾きにくいと思われる。ロッドのトルク感がかなり強いため80、90サイズのバイブにしても不快な引き抵抗にはならないような安心感がある。肝心のロッド感度も申し分なし。

ただ、サルベージソリッド60ESにまで落とすと竿のパワーが勝ちすぎて固く感じてしまう。そんなパワー感だ。

 

次にキャストしたのはロングミノー、セットアッパー125sとブローウィン140sをセットして投げてみた。

セットアッパーはミノーの中では波動強め、ブリブリ系のミノーだがこれもロッドのトルク感によって楽に引いてこれる。キャスト時は中弾性ロッドのように軽い入力でもしっかりと飛び、綺麗な姿勢でルアーが飛んでいく。ブローウィンのジャーキングもメリハリのある入力ができダートで飛ばすことも可能。キンキンな高弾性ではないもののキレのあるブランクスはルアー操作を快適にしてくれる。

 

次はヘビーシンペン、ジグミノーで遠投。

使うルアーはオルルドシンペン

ロッドをしっかりと曲げこんでキャストする。その感覚が一般的な高弾性カーボンのロッドに比べてより軽い力で体感することが出来る。非常にキャストが気持ちいいロッドだ。バチバチの高弾性ロッドのような狭いリリースポイントで糸を離して遠投する感覚も好きではあるが、それとは違った気持ちよさがあるキャストフィーリングがこの竿にはあった。

 

次にトップを試す。ファストテーパーなら操作系ルアーは得意だろうという考え。選んだルアーはポポペン95F

柔軟かつキレのあるティップはトップの操作も意のまま。ただロッド重量が180gと現代のシーバスロッド9ft台と比べると重いので手が疲れてくるというのが正直な感想。トップ専門にやっていくなら他の竿のほうがより扱い易いかもしれない。

 

全体的な感想として高弾性と中弾性の間のような使い心地、似ている竿でいえばヴァリアントレクシータ99MMがかなり似ているような感じがした。テーパーもレングスもほぼ同じだからなのか。しかしレイヴンのほうがどちらかというとバットに安定感があり固い印象がある。他には9ft台のわりにグリップが長いためロッドを曲げこみやすいように思えた。現代のシーバスロッドに比べれば若干の重ダルさやハリのなさは感じるかもしれないが、使っていて楽しい、心地いいと思う竿はダイコーだからこそ作り上げられるのだと実感した。