春らしい暖かい日が続いて
我が家の庭先に、フクジュソウが咲いているのを見つけた。
北国に春の訪れを告げる小さな花、フクジュソウ
ついひと月前には
雪かきした雪を、こんもりと積み重ねていたこの場所で
冷たい雪に覆われた土の中
花芽を育てていたんだねぇ
そう思うと、なんだか愛しい。
フクジュソウの近くには、黄色のクロッカス
そして、フキノトウも…
今年は暖冬だったせいか
フクジュソウの開花が、いつもより1~2週間早いように思う。
近くの川に飛来していた白鳥も
先月の四月並みの暖気で
慌てるように、シベリアへと飛び立って行った。
フクジュソウは父との思い出の花。
毎年、庭にこの花が咲くと
父のことを思い出しながら
トシちゃんにあれこれ話しかけ、一緒に眺めた。
花を指さしながら
「トシちゃん、お花が咲いたねぇ!」と話しかけると
私の真似をして、花を指さす仕草をする息子が
素直で微笑ましくて、かわいかった。
そんな、在りし日の我が子を思い
ひとり涙していたら
いたずらなヒヨドリが
「ピィー、ピィー、ピィー…」と
甲高い声を上げながら、楓の木にとまった
「あなたはトシちゃんなの?」と、ヒヨドリに問いかけてみたけれど
トシちゃんからの返事はない。
春の陽射しは、明るくまぶしい。
私には、なんだかまぶしすぎる。
どんよりとグレーな冬の雪空が
私は好きだ。
春彼岸の頃
県南地方に湿ったドカ雪を降らせる春の嵐「彼岸じゃらく」は
もう、今年はないなぁ
そう思って今日は
玄関先に置いていた、雪掻き用のスコップを片付けた。