先週開花した我が家の桜も
あっという間に桜吹雪となりました
樹齢50年以上になる老木のソメイヨシノ
二階のベランダからなら
手を伸ばせば花房に触れられるほど近くに咲くけれど
今年は正面からまじまじと桜を愛でる気持ちになれなかった…
私がこの家に来た時には
もうすでに立派な大木で
毎年目を楽しませてくれた庭の桜
それだけ長い間の家族の思い出の残る木なのです
去年は、そうね
桜の下で、バーベキューを楽しんだよね
外でみんなで焼肉するのが好きだったトシちゃん
柔らかな春の風を感じながら
満足そうにしていたあの笑顔がかわいくて、愛おしくて…
美しい桜の花は
幸せだったあの頃を思い出させてくれるのだけれど
同時に
もうあの笑顔には会うことができないという
残酷な現実を突きつけられるから
私は、桜の花を正面から見ることが出来ませんでした
もう、去年までの桜の風景とは違うんだなぁ…
そうしているうちに
今年の桜も、あっという間に見頃が過ぎ…
強く風が吹いて
ハラハラと舞い散る花びら
桜…あはれなり
桜吹雪の中に
歩くあなたの姿は、もうない
母は、ただ涙…
今日も涙
あなたの歩く後ろ姿を
ずっと見守っていたかった。