我が愛しの桜の君よ
麗しきその姿 やっと逢えたね。
私だけを見ていて欲しいけれど
君は、他の誰にでも、その優しい眼差しを向ける…
柔らかな春のまどろみの中でも
君は凛と真っ直ぐに立つ
憧れと尊敬と
そして、燃えるような恋心に
君はいったい、気づいてくれているのか…?
誰よりも愛しているよ
逢えない日々
逢いたいとは言えなくて…
心と裏腹に笑って見せる
そんな辛く苦しい日々に
狂い咲きの夜桜を眺め、ひとり枕を濡らすのは、罪なのですか…?
燃える血潮
その熱き吐息がかかるほど、君がそばにいてくれたら…
強く抱きしめ、もう誰にも渡しはしない
あふれる出る涙の雫を
君はその柔らかな花びらで、そっと受け止めてくれるのだろうか…
世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
(在原業平)
桜を詠んだ、業平のこの和歌が好きです