翼の折れた鳥は 孤独だ
仲間は皆 南の島へと 飛び立って行った

翼の折れた鳥は 惨めだ
自力で 餌を探す事ができない
人間が 気まぐれに投げてくれる餌を ついばむ

折れたまま広がった翼を引きずりながら
鳥は ヒョコヒョコと歩く
「変な鳥 あっちへ行け!」
と 石つぶてが飛んでくる時もある

空を切り
身体中に風を受け
大空高く 自由に舞う
翼の折れた鳥は
もう その感覚を忘れてしまった

もう 自分は鳥ではない
それなら 自分はなんだろう?

泣きつかれて眠る鳥の前に
ある晩
輝く光をまとった鳥が現れて言った

翼が折れても お前は鳥です
この世でも あの世でも すぐ迷子になるお前を心配して 神様が 印を付けたのです

50年生きる鳥も 100年生きる鳥も
神の時間の前では はかないもの
そのはかない時間の中で
何に気付き
誰を愛し
どう行動したのか
神様は それぞれの報告を待っています

神が お前の翼に触れた時
折れた翼は治ります
そして
二度と折れる事のない 永遠の翼を得るのです

いつも 神の息吹と共にありなさい
生も死も
何もかも
全て あるがままに 神に委ねて生きなさい