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皆様のアドバイス、本当に、ありがたいです。

今日も「書き逃げ」を、続けます。




≪社会貢献≫

2800年…
地球温暖化が進み、緑地は減り、たくさんの生物が絶滅しました。

生き残った人間は、労力の多くをロボットに頼り生活していました。

王国の主は、知力、体力、人望を備えた、優れた人物でした。

人々は、穏やかに暮らしていました。

ところが…
突然に、予想外の飢饉が、人々を襲います。

ハイテクを駆使しても、
いまだ、人間は、自然をコントロールできませんでした。

食物がなくては、生きる事はできません。

王様は、頭を抱え込みました。

仕方なく、
「緊急条令」を、発令しました。

「高齢者」「障害者」「不治の病を抱える者」の中で、
「社会貢献」ができない者への「食料配付」を、打ち切りました。

王様は悩みながらも…
「共倒れになって、人類が絶滅する事を避けるためだ」
と、己に言い聞かせました。

国民の誰もが、
最初、この条令に反対しましたが…
背に腹はかえられません。

「仕方がないよ。社会貢献できない人々なのだから…」
そう、考えて、後ろめたい気持ちを、遠ざけました。

人口が減ったので、
食料はみなに行き渡り、また、穏やかな日々が続きました。

しかし…
以前よりひどい食料危機が、また、人々を襲いました。

王様は、新しい条令を出しました。

「年齢、知力、体力、総合的に判断して、下位の者から、食料の配付を打ち切る」

その判断は…
完璧にプログラミングされたロボットが、一人一人をスキャンして、判断する事になりました。

国民のごうごうたる非難の中…
王様は、自分に言い聞かせます。
「優秀な種を残し、人類を、絶滅から救うためだ」

やがて、条令が発令され…
食物は、豊かに行き渡るようになりました。

そして…
条令に反対していた人々の間に、奇妙な優越感が、芽生え始めました。
「私達は、選ばれた者なのだ」

しかし…
思わぬトラブルが発生しました。

ロボットの暴走です。
プログラミングにミスが起こり、
社会貢献度の基準が、どんどん厳しくなり、
ロボットが、勝手に、人間の粛清を始めました。

「さぁ、大変!」

でも、最新鋭のロボットのプログラミングのミスを、誰もなおす事ができません。

王様が必死になって探した救世主、プログラミングの天才は…

なんと…
サバンという障害を持つ、自閉症の青年でした。

母親が、自分の食べ物を分け与えて、粛清を逃れていたのです。

王様は、青年を、プログラミングセンターへと、誘導します。

その時…
粛清ロボットが、青年の前に立ちました。

青年が粛清されれば、
もう、誰も、ロボットの暴走を止められません。

王様は、青年の前に立ちはだかりました。

「さぁ、私が、身代わりに…」


王様は…
最初で最後の「社会貢献」を、果たしました。