△男との、これまでの歩みを思い出すと…
けして「きれいごと」ばかりじゃなかった。

地元の公立「小」「中」に通っていた時には…
「イジメ」やあからさまな「差別」があったし…

養護学校高等部の時には…
自閉症どうしのトラブル…
とても、ここには書けないような先生の不祥事もあった。(新聞にも載りました)


△男の自閉症がわかった頃は(25年前)…
今のようなネット環境がなかったから「自閉症」というものは、ほとんど知られていなかった。

我が子の「障害」を、サッと受け入れて、すぐに、前向きに進めるお母さんは、スゴいと思う。

私はダメだった。
グズグス…メソメソ…

「自閉症」の本を読みあさっては…
△男の中の「自閉症らしくない」部分を探すのに、必死だった。

小学校低学年頃までは…
毎日「読み書き」「計算」の特訓にあけくれた。
△男を「健常児」に近づける事が、目標だった。

もちろん、それは、現在、役に立ってはいるけれど…

やがて、親元を離れ、自立していく△男を思う時…

△男の財産は…
「自閉症ではあるけれど、穏やかで、みんなと仲良くやって行ける事」
「ある程度の社会的善悪を理解している事」
「身辺自立ができている事」
「人の役に立つ事を喜びとできる事」
「些細な日常に幸せを感じられる事」

それらは…

机に座って勉強したから…
親が立派な「説教」をしたから…
身につくというものではなく…

地味~な日常から…
家族や社会の中で接する人達とのかかわりを通して…
子供自身が学んで行くものなんだろう。

そういう意味でも…
「子は親の生きざまを見ている」

そうした「緊張感」から「親」は、生涯、逃れられない。

特に…
「自閉症」の人達は「言葉」を信用していない傾向がある。
時々…
彼らの前に立つ時…
その独特な瞳で、心の中を、スキャンされているような感覚を覚える。

スキャンされても…
恥じる事のない自分でいたいナ~





裕子