遺伝性強度近視の×男は…
小1の時、メガネを作った。
当時、ヒットしていたハリーポッターに似ていると、みんなに言われて、不満顔だった。
21才になった×男は…
大人になったハリーに、やっぱり似ている。
時代に逆らう太眉…
×男:「△ちゃん、美容院へ行くようになったんだ~△ちゃんのカット代って、いくら?」
私:「¥4000」
×男:「リッチだナ~オレ¥1000の床屋」
…なるほど…
昨年、寮に入る時に私が持たせた、ユニクロをずっと着ている。
前回、帰省した時は、靴底がパカパカで…
今回は、靴下パックリ…
アスペルガー系で、人前で、ほとんど口を開く事はなく…
黒渕メガネの奥の、彫りの深い目は、鋭い。
×男に彼女ができる日は…
まだ、遠そうだ。
×男の長所は…
けして、人をバカにしない所
私達おバカ夫婦の、あり得ない質問に…
優しく静かな声で、わかりやすく説明してくれる。
(ケド…よしわかった!と思っても…翌日には…何だったケ…?…笑)
×男は、愚痴を言わない。
心配性の私を気遣ってか…
ゾッとするような出来事は…
数年過ぎてから、話す。
私が、毎年のように「潰瘍性大腸炎」で、寝込んでいた時には…
当時、中学生だった×男が(土)(日)△男を連れて外出してくれていた。
△男が、やーさん風のオジサンの足を踏んで…
×男が、ひたすら謝って、許してもらった話
「お前の兄ちゃんシンタイか?」
って、クラスメートにイジメられてた話
「×男は、友達がいないから、△男と出かけるのが楽しいんだろう」
なんて、軽く考えていた私は、恥ずかしかった。
「高校受験」「大学受験」の度…
私は入院して、×男の足を引っ張ってきた。
私の乳癌が発覚した直後の模試で…
×男の成績は、ガクッと下がった。
「ごめんネ、心配かけて…」
と、私が言うと…
「ア~それはナ~、弁当食ったら、眠くなっちまったんだ」
(でも、午前中の科目から、成績悪かったケド…)
3年前の緊急入院の時…
救急車で運ばれる私は、意識が朦朧としていて…
「母ちゃんはもういいから…×男は、自分の事だけを考えて、幸せになって!」
その時…
いつも、物静かな×男が、初めて怒った。
「そんなに簡単に、生きる事をあきらめていいのか?」
私の入院中…
宅浪中だった×男は、主婦となり…
ギザギザに剥いたリンゴを持って、私の洗濯物を届けに、病院へ通ってくれた。
塾代なんか払えない我が家…
負担ばっかり多い我が家…
じいちゃん達の後を追うように…
「T大」を目指したが…
かなわなかった。
でも…
×男は、けして、人のせいにしない。
「オレには、それだけの能力がなかったんだ。別に、好きな勉強ができれば、大学名には、こだわらない」
×男は…
数ヵ月に一度、ふらりと帰って来て…
味わうように、ゆっくりと、私の手料理を食べ…
子供だましのような、私が買いためておいた「お菓子」をリュックにしまい、帰って行く。
いくら勧めても、泊まって行く事はない。
「それじゃ~寂しいでしょう?」
って、言われる事があるけど…
ツンデレ…傷の舐め合い…優しい言葉…
そんな嘘くさいものは、嫌いだ。
「元気でやれよ!」
今は…
お互い、それだけだ。
裕子
小1の時、メガネを作った。
当時、ヒットしていたハリーポッターに似ていると、みんなに言われて、不満顔だった。
21才になった×男は…
大人になったハリーに、やっぱり似ている。
時代に逆らう太眉…
×男:「△ちゃん、美容院へ行くようになったんだ~△ちゃんのカット代って、いくら?」
私:「¥4000」
×男:「リッチだナ~オレ¥1000の床屋」
…なるほど…
昨年、寮に入る時に私が持たせた、ユニクロをずっと着ている。
前回、帰省した時は、靴底がパカパカで…
今回は、靴下パックリ…
アスペルガー系で、人前で、ほとんど口を開く事はなく…
黒渕メガネの奥の、彫りの深い目は、鋭い。
×男に彼女ができる日は…
まだ、遠そうだ。
×男の長所は…
けして、人をバカにしない所
私達おバカ夫婦の、あり得ない質問に…
優しく静かな声で、わかりやすく説明してくれる。
(ケド…よしわかった!と思っても…翌日には…何だったケ…?…笑)
×男は、愚痴を言わない。
心配性の私を気遣ってか…
ゾッとするような出来事は…
数年過ぎてから、話す。
私が、毎年のように「潰瘍性大腸炎」で、寝込んでいた時には…
当時、中学生だった×男が(土)(日)△男を連れて外出してくれていた。
△男が、やーさん風のオジサンの足を踏んで…
×男が、ひたすら謝って、許してもらった話
「お前の兄ちゃんシンタイか?」
って、クラスメートにイジメられてた話
「×男は、友達がいないから、△男と出かけるのが楽しいんだろう」
なんて、軽く考えていた私は、恥ずかしかった。
「高校受験」「大学受験」の度…
私は入院して、×男の足を引っ張ってきた。
私の乳癌が発覚した直後の模試で…
×男の成績は、ガクッと下がった。
「ごめんネ、心配かけて…」
と、私が言うと…
「ア~それはナ~、弁当食ったら、眠くなっちまったんだ」
(でも、午前中の科目から、成績悪かったケド…)
3年前の緊急入院の時…
救急車で運ばれる私は、意識が朦朧としていて…
「母ちゃんはもういいから…×男は、自分の事だけを考えて、幸せになって!」
その時…
いつも、物静かな×男が、初めて怒った。
「そんなに簡単に、生きる事をあきらめていいのか?」
私の入院中…
宅浪中だった×男は、主婦となり…
ギザギザに剥いたリンゴを持って、私の洗濯物を届けに、病院へ通ってくれた。
塾代なんか払えない我が家…
負担ばっかり多い我が家…
じいちゃん達の後を追うように…
「T大」を目指したが…
かなわなかった。
でも…
×男は、けして、人のせいにしない。
「オレには、それだけの能力がなかったんだ。別に、好きな勉強ができれば、大学名には、こだわらない」
×男は…
数ヵ月に一度、ふらりと帰って来て…
味わうように、ゆっくりと、私の手料理を食べ…
子供だましのような、私が買いためておいた「お菓子」をリュックにしまい、帰って行く。
いくら勧めても、泊まって行く事はない。
「それじゃ~寂しいでしょう?」
って、言われる事があるけど…
ツンデレ…傷の舐め合い…優しい言葉…
そんな嘘くさいものは、嫌いだ。
「元気でやれよ!」
今は…
お互い、それだけだ。
裕子