自閉症児は…
思春期以降に、てんかんの発作を起こす場合が、とても多いです。

「てんかん」自体は、命に関わる病気ではないけれど…

なにしろ、突然、意識を失うので…

「電車のホーム」「横断歩道」「風呂」「プール」
これまで以上に、心配な場面が、増えてしまいました。


けれど…

△男の場合は…
「薬」がよく効いて…

「大発作」と呼ばれる、意識を失うような発作は、起こさなくなりました。

△男は…
「薬のおかげで、自分の病気がよくなった」
って、よく理解しているの

だから…

「私の癌も、薬を飲めば治る」
って、信じてる。

なので…

私が、薬を飲み忘れたりすると大変!
(しょっちゅう飲み忘れるのよネ~)

薬と水を持って、追いかけてくるの(笑)



中3の終わりに…
「合同学芸会」というのが、ありました。

文字通り…
市内の「個別支援級」の「合同学芸会」

中3の時「個別支援級」の生徒は、△男一人だけ…

なので…
ピアノを弾く事になりました。

曲目は…
その年、ヒットしていた、
「千と千尋の……」


我が家は…
常に、経済的なゆとりがなく(笑)

子供達を「お稽古事」に通わせられないので…

3人とも…
「ピアノ」「英会話」の基礎を、私が教えました。
(身に付かなかったケド…笑)


学芸会に向けて…
毎日、△男と、ピアノに向かって練習しました。
(私は、当日、先生が弾くパーツ)

短い曲でも…
ミスなく、心を込めて弾くって大変!

練習!練習!


そして…

「学芸会」の日がやって来ました。

△男は…
いつもとは違う「お坊っちゃまスタイル」
(ベージュのチノパンに、白いシャツ、紺色のセーター)

スポットライトに照らし出された△男の顔は…
緊張で、こわばっていましたが…

連弾を引き受けてくれた、
若くて優しい音楽の先生の「笑顔」にいざなわれて…

堂々と、ミスなく、弾けました。


ステージの△男は…
大人びて見えて…

「成長したんだナ~」

ただ、嬉しくて…
ただ、嬉しくて…






裕子