4才になった△男は、
保育園へ入園しました。

当時から、
横浜市の保育園は、待機児童でいっぱい。

でも、
「福祉枠」という制度があり、恩恵に与りました。


△男は、
担当の先生に、本当に可愛がってもらったナ~

そして、
常に、いっぱいいっぱいだった、母親の私にとって…
保育園は、救いでした。

様々な用事を、
△男のジャマが入らず、楽々とすませる事ができて…

保育園の送迎は…
家業の電話番を、堂々とサボる事のできる(笑)息抜きの時間でもありました。


そして…

ちょうど、今頃のような梅雨時…

保育園の教室に貼り出された、
△男の「カタツムリ」の絵を見て、
ハッとしたわ。

「カタツムリ」は、
み~んなニコニコ笑ってるの…

△男は、毎日、
幸せなんだナ~って、思った。


誰もいない教室で、
△男と二人…

「カタツムリ、上手に描けたネ~」
「カツムーリ!」
「カ.タ.ツ.ム.リ」
「カ.ツ.ム.ウ.リ!」

「カタツムリ」って、上手く言えない△男が、愛しくて…


帰路、

道端の紫陽花の深い藍が、心に沁みて…



今まで、
私は、何を見てきたんだろう…?

「幸せ」は、
ほら、ここにあるじゃない。
何物にも変えられない、本当の「幸せ」が…

そして、私は、
何を、子育ての目標にしてきたんだろう…?

「子育て」に、
「人生」に、
「レール」なんてない。

「子育て」の主役は…
母親の私じゃない。

だから…

まっさらな心で、
△男の心に、寄り添って行けばいいんだ。

△男が「幸せ」を感じているなら…
「障害児」って、
蔑みの目で、見られる事があっても…
もう、私は、気にしない!

私の生涯をかけて…
君を、守りぬいてみせる!


私が…
本当の母親になれた瞬間でした。






裕子