無事、出産を終え…
安堵感の中で、祝福され…

でも…

待っていた「育児」は、
薔薇色の美しいものなんかじゃなかった。


退院後、一ヶ月ほどは、里帰りをする産婦さんが多いが…
駆け落ち婚の私達は、夫婦二人でのりきった。


とは言え…
わからない事ばかり…

夫が仕事に出たあとは…
生まれたばかりの赤ちゃんと二人きり…

心細くて仕方なかった。
(今のように、ネットもないしネ)


宅配や今のようなコンビニもなかったから…
結構大変だったわね。



産後一ヶ月というのは…
「一つの山場」です。

思った以上に「大変!」


生まれたばかりの我が子は…
「かわいい」というより…

まるで「埴輪!」

まだ、人間らしい「表情」が、ないんです。

そして…
24時間、ほぼ切れ目なく、1~2時間おきに泣く。

その度、乳をやり、オムツを換えて…

健康な人だって、寝不足になり、まいっちゃうと思うのに…

産後一ヶ月位までのお母さんというのは、
出血が続いていて、
たいがい「貧血」だし…
たいがい「マタニティーブルー」

授乳も、そう順調には進まない。
「思ったように出ない」
「乳首が切れて痛い」
「乳腺炎になっちゃった」

いろいろ…

それでも、みんな乗り切って行けるのは…
アノ「出産体験」が、あったから…?


そして…

やっぱり…

「守りたい!」という気持ち…


頑張った「御褒美」は、
突然やって来る。

「埴輪」だった赤ん坊が…
笑うのよ!

親はメロメロ…

自然と…
「この子のためなら…」
って、思えるようになるのよね。

そして…
頻繁だった授乳も、間隔があくようになり、夜は、眠るようになってきます。
(夜泣きも、アリだけど…)


「親子」って…

こうして…
生まれた時から…
一歩ずつ…

互いに「初心者」として…
「関係」を築いて行くんだと思う。

それは…
親にとって、何人目でも関係ない。

「その子」とは、
初めての子育てだから…








裕子