今日は△男の通う作業所へ、三者面談に行きました。


作業所での様子、家での様子等を話し合い…

今後の支援等について、有益なアドバイスを貰い…

面談が終わろうとした時…


「実は…」

と職員さんの話は始まった。


作業所では、手作り弁当を販売している。

食材は、予め仕入れてあるが…

たまに、足りなくなった物を、利用者の勉強を兼ねて、すぐ近くの○マートへ買いに行く。

みんな、知的障害があるから…

買い間違えがないよう、メモを店員さんに見せて、カゴに入れてもらい、レジで精算する。


数日前、△男は、メモを片手に、人参を買いに行った。


職員さんが△男の持ち帰った人参を見ると…

ドロドロに腐っていた。


それは「見切り品」としても、店内に出せるような状態ではないのに、正規の値段が付けられていた。

同じ事が先週もあったので…

職員さんは、怒って、○マートの責任者と話しあった。


「偶然…」という言い訳と、おざなりな謝罪…

とっても大きな問題なのに…

たくさんいる店員さんの中には、フトドキなヤツもいるでしょうヨ!

だからこそ…

この事件は「朝礼」や「反省会」等で、ちゃんと話合うべき出来事じゃない?

誰でもが…

明日、自分が「障害者」になるかもしれないのに…


○マートは、全国展開の大型店だ。

私は、自社プレミアム製品や併設のパン屋が好きで、△男とよく買い物に行く。

△男にとって、楽しい大好きな店だ。


△男の様子が目に浮かぶ。


作業所から、さっそうと○マートへ向かい…

腐った人参をカゴに入れてくれた店員さんに、ニコニコとお礼を言い…

その人参に気づきながらもレジを通した、別の店員さんに言われるまま、お金を払い…

意気揚々と、作業所に戻る△男…


△男が、もしも、一人暮らしだったら…

その腐った人参を、洗って食べちゃうのかナ…?

何も言えないから…

ゴミを正規の値段で、買わされちゃうのかナ…?


「私がいなくなっても…△男は、やっていける!」

そんなのは…

末期癌の私が安心したいための、幻影だったのかナ…?

世の中は「いい人」の方が多いケド「悪い人」もたくさんいる。

家族がいなくなったら…

△男を誰が守るの…?


怒りよりも…

悲しくて…悲しくて…悲しくて…


小さな抵抗!

もう、○マートで買い物なんかするもんか!

声をあげる事が出来ない弱者に、腐った野菜を売る店なんか、信用できない!


ア~~ア、

でも…

お人よしの△男は…

こんな事をされても…

「○マートに行こう!」

って、また、ニコニコしながら、言うんだろうナ~


それがまた

よけいに悲しくて…




裕子