昨日のブログで触れた「本の出版」から2か月後…

HHKディレクターのTさんから連絡を頂いた。

「本を読んで、感銘を受けたので、取材させて欲しい」

嬉しかった。

それまで、本を読んで感想をもらえたのは、知り合いばかりだったが…

私にとって、4人目の子供のようなものである「本」が、ちゃんと一人歩きを始め、社会へ出て行ったんだナ~と、感無量だった。


しかし…

まず、NHKのニュース番組に自分が映るという事にビビった。

そして次…

障害のある息子が、その事で、イヤな思いをしたりしないだろうか…?

そんな私の気持ちを察してか…

Tさんから、これまでTさんが手がけた作品のDVD、メール、お手紙等が届き…

夫とも話し合い、受ける事にした。


「ディレクター」と聞いて、私が想像していたのは

「かっぷくのいいおじさん」だったが…

我が家の玄関の扉を開けた先に立っていたのは

スリムな…学生さん?お兄さん?もと「嵐」?(笑)


その後、いろいろな場面で、何回も撮影、取材があったが…

私がTさんと打ち解けてきたのは最近のような気がする。

それは、ひとえに、私の性格がいけないんだろう。

幼少期から、女子ばかりの中で育ってきた環境は、この年になっても、尾を引いている。

そして、私は話すという事に向いていない。

まず、声がマズイ!

なんたって、小3の時、電話で、おばあちゃんに間違えられ…トラウマを抱えて生きてきた(笑)

低くてハスキーな声は、とても聞き取りにくい。


なんとなくTさんに申し訳ないような気持を抱えていたが…

9月、息子と私Tさんの3人で、海へ散歩に行った。

何とはないおしゃべりをしながら、そぞろ歩くうちに、おばさんと甥っ子のような気分になった。

帰り道…

Tさんは、カメラを回す。

急な坂道を走ってのぼり、少し先から私達を撮影…

私達が追いつくと、またそれを繰り返す。

重いカメラを支える両腕には、奥さんへのお土産、我が家のお土産、私のトートバッグまで…


10/31の放映をみて驚いた。

それは、まぎれもなくTさんの作品だ。


「編集力」

そこには、Ⅰさん、Tさん、それぞれの、仕事というものに対するひたむきさ、物事に対する考え方というものが、色濃く反映されている。

世の中が変化しようが…ツールが変わろうが…発信者の「心」「伝えたい事」それがなくっちゃ、始まらない。


Tさんには、まだまだ、お世話になります。

来春予定の30分番組に向けて、撮影が続いています。



私には、もう、そんなに時間がない。

人生の最後に伝えらえれる事はなんだろう…?


「苦しみ」「恐怖」「無念さ」それらは、正直、確かにある。

でも、それ以上に、心の奥底から、湧き出て来る、この熱い想いは何だろう…?


どこにでもいる、イヤ、病気ばかりで普通以下の私の生涯…

でも、家族の幸せを願い続けて生きてきた。


「感謝」「喜び」「希望」それらを、今、強く感じる。


青い空、道端の花、家族の笑顔…

当たり前の日々の輝きは、増すばかりだ。


だって、それは、命そのものだから…



もう一度、自分自身を見つめ直し…

おばとして…(笑)…Tさんの足をひっぱらないように、頑張ろうと思う。





カメラ 裕子