明日は、×男が、学生寮から帰って来る。

いつも、日帰り…

最後に会ったのは、先月、娘の結婚式


遊びに来るわけじゃなく…

持病の喘息を、慣れた近所の医院で、3ケ月に一度診てもらうの


そろそろ薬がなくなる頃よね~

昨日、×男の携帯を鳴らした。


3度めに、やっとでた。

「なんで、なかなかでないのヨ~!」

「……ウッ、母ちゃんからの突然の電話にうろたえたの…」

この「……ウッ」っていうのは、いつもの×男の間のとり方…

彼は、目の前にいても、地球の裏側にいるの…衛星中継ってやつネ…


彼は、自覚しているが…

△男と同様に、自閉傾向がある。

ガールフレンドなんて高望みはしないケド…

友達100人…違った…1人できたかナ~?


×男は、優しい言葉など言えない。

でも…


思春期真っただ中の中学生時代には…

潰瘍性大腸炎でダウンした私を気遣って…

(土)(日)は、△男のガイドヘルパー役を買って出てくれた。

(後から聞いたケド、同級生に△男の事をからかわれたらしい)


浪人中に、私が入院した時には…

家事に勤しみ…

私の洗濯物を持って、病院を往復…

自分でむいたギザギザのリンゴを、持ってきてくれた事もあった。


彼は苦学生だ。

塾代ないから、宅浪し…

今年、国立大・工学部へ入学した。

入学金、授業料、寮費、生活費、全て奨学金で賄っている。

国立工学部は、院への進学が暗黙の了解だから…

計算すると…

ワンルームマンション一軒分位の借金を負って社会人となる。

(親としては、ふがいないが…ない袖はふれぬ)


それでもヤッパ、国立大は安い!!

つまり、税金で勉強させてもらっているという事

なんとか卒業して…

日本らしい産業の、歯車のひとつとなって、頑張って欲しい!


「自閉傾向」なんて、気にする事ないよ!

みんな違って、みんないい!

母ちゃんにはわからない、難しい勉強に勤しみ…

母ちゃんにはわからない料理で、自炊している君を…

応援し、誇りに思っているよ!


君の好物の、おいしい「おでん」仕込んで、まってるからネ~!



携帯母ちゃん