今回紹介するのはZONE THE DARKNESSの名曲『奮エテ眠レ』です!

ZONE THE DARKNESSは現在はZORNというMCネームで活動しています

今のZORNさんといえば家族愛が溢れるような曲や地元の仲間達との思い出、そしてなんといっても硬すぎる韻が特徴的だと思います

しかし、この時のZORNさんは今とは違うスタイルで少しポエトリーラップ(これについても今度解説します)のようなフロウを使い、面白い韻というよりかはシリアスで硬く心に響くパンチラインを残すというものでした。

特にこの曲はパンチラインが多すぎることで有名です

歌詞を紹介しながら解説をしていきたいと思います

(INTRO)
駅前であの子とすれ違った
あの子は俺には気づかずに行ってしまった
(↑語り)
(1バース目)
いつまで経っても今も俺は目を開けたまま夢みがちだが、ナンパみたく声かけるチャンスとのすれ違いざま
誰も皆、口を揃え一握りだと言いやがる
いいやまず一人きりだとしても俺はやる
朝6時 またろくに眠れず家を出る
太陽は輝いてるが開かない目で働いて
労働者は今日もまた汗をかき金を稼ぐ
羽も伸ばせず 別に誰も評価せず
やみくもに働く だが何も変わらず
それでも明日ってやつはやって来る必ず
立ち止まる暇はなくまだいけると足掻いてる
灰色の曇り空に晴れ間を探してる
薄汚ねぇ作業着 靴に跳ねたコーヒー
そんな俺を横目で見る遠慮ねぇ世間の目
ラッパーだなんて言えば鼻で笑われるか
ヒップホップなんて言えばただ冷やかされるか
煮詰まる日々沈まずに昼休み詩を書き溜め
いつか来るその時に静かに想いを走らせ
暗闇をかき分け
情熱をたぎらせ
諦めはなしだぜ
死ぬまでに間に合え
既に始まってる
ならあとは終わるだけ
歯車を悲鳴を上げゼンマイが止まるまで
働くのが生きるためなら生きるのは何のため?
それを探しため
いや模範の答えはいらない
気づけずに生きてきた俺もついに見つける
真っ黒なフードの影未来を睨みつける
見返す為鍛えるだけ
あの場所に立てるまで
その時を想像し奮えて眠れ

(解説)
めちゃくちゃ濃い1バースです
成り上がるという気持ちが全面に押し出されています
今のZORNの曲でも現場(作業現場 ZORNは塗装業らしい)で働いていることを描いているのですが、今とは違い、現場で働くことで自分の生活費を賄っているという人にしか書けない現場で働いていることに対してのコンプレックスやこのままでは終われないという気持ちが全面に押し出されていて現在では聞けないZORNの一面が垣間見えます
そしてZORNあるある怒涛の韻攻め、今回は「煮詰まる日々沈まずに昼休み詩を書き溜めいつか来るその時に静かに想いを走らせ暗闇をかき分け情熱をたぎらせ諦めは無しだぜ死ぬまでに間に合え」でした。
そして1バース目の最大のパンチライン「働くのが生きるためなら生きるのはなんのため?」です。生きるために働くことが当たり前になってしまって働くことが目標で無くなってしまった現代社会を風刺しつつも人類の最大の疑問「生きるのはなんのため?」についてもその後の「それを探すため、いや模範の考えはいらない」というリリックで人によって考え方は違うということをこの短い間で伝えています

そして、この曲はhook(サビ)が無く、その代わりにビートがhookの代わりをしています
ビートに関しては聞いてもらった方が早いと思うので聞いてもらってからのお楽しみで

(2バース目)
初めのステージを忘れない
俺は15歳
O-JEEに誘われた六本木スパイラル
どっかから持ってきたレコードのインスト
ap前のバーミヤンで書いたリリックを乗せ
盛り上がっていたのは身内だけだ
あの日から今も変わらずに思ってる
いつになれば
時に見失っては檻で凍えていた
数えきれないほどの夜、一人超えてきた
稲穂は実るほどに頭が下がる
俺は一部一番手のショーケースから学ぶ
10分で1万のノルマを払い続けた
何人も辞めていったが俺はまだ立ってるぜ
夜空が暗いからこそ星は見える
街灯が光っていても昼間なら気付かない
何も見えなかった俺をヒップホップに導いた
クソッタレな人生にも礼を言いたくなる
夜10時クラブに向かう雨の地下鉄
一番端の席、背をもたれ腰掛ける
人生は一度きりどうせなら賭けに出る
崖っぷちに追い詰めて俺は俺を試してる
報われない努力救われない孤独
でも俺にとっちゃヒップホップは敵わない恋じゃない
失ったものすら取り戻せるかもしれない
その時を想像し奮えて眠れ

(解説)
1バース目では現場で働く自分の視点で現状を見つめていました
それに対して2バース目ではステージでなかなか結果を残せない自分として現状を見つめています
15歳からラップを始め、途中で捕まって刑務所の中で一人で凍えていた日もあり、いろんなラッパー、ここでは「一部一番手のショーケースから学ぶ」というリリックからどんな若手であっても学ぼうとする姿勢や周りが辞めていっても自分は残り続けてきたという事実などからZORNのラップに対してのストイックさが見れます
また、ライブをしに行く時の自分の心境を語り、1バース目では「朝6時またろくに眠れず家を出る」という労働者の視点と2バース目に「夜10時クラブに向かう夜の地下鉄」というラッパーとしての視点という二つの自分の対比をしています
そして、少年院に入ってしまった過去や少年院で感じた孤独、ヒップホップに純粋に取り組んだ努力が実る瞬間を想像し奮えて眠れとしめています

(3バース目)
あと一歩のところで届かないことがよくある
掴みかけた瞬間裏切られた気分さ
筋書きが無になり振り出しに戻っても
俺が夢を捨てなければ夢は俺を捨てない
成功が努力の前にあるのは辞書だけだ
保証もないものに一生を賭けな
それでもその扉が開くとは限らない
だが夢を見れないような男には先はない
お前らに言ってやる大人達に言ってやる
駅前ですれ違った元カノにも言ってやる
鼻で笑ってみろこれこそがラッパー
冷やかしてみろよこれがヒップホップだ
大金や権力や地位や名声じゃない
あの子が振り向いた時俺は成功者だ
賭けるものがないんです、人生でいいですか?
その時を想像し奮えて眠れ

(解説)
怒涛のパンチラインで食らいすぎてしまう3バース目
「俺が夢を捨てなければ夢は俺を捨てない」や「成功が努力の前にあるのは辞書だけだ」、「保証もないものに一生を賭けな」そして最後に「賭けるものがないんです人生でいいですか?」ってどうやったらこんなパンチラインが言えるんですかね
綺麗事や当たり前のことを異常にかっこよく見してくれるのがHIPHOPの良さだと僕は思っているので、この綺麗事が皆の心にはパンチラインとして残り、一つの考え方として残って行くと思います
そして、1バース目のリリックの伏線回収も行っていて構成としてもすごく綺麗に落としていて、さすがZORNさんとしか言いようがないです



(まとめ)
労働者視点の1バース目
ラッパー視点の2バース目
怒涛のパンチラインの3バース目
といった感じだと思います
この曲は聞けば聞くほど深みが増す曲だと思います
また、この曲を聴くおすすめのシュチュエーションははフードを被り夜の裏路地を一人で歩く時です
皆さんも是非してみてください!

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